宮古島文学賞の要項発表
宮古島市文化協会(饒平名和枝会長)は3日、第6回「宮古島文学賞」の募集要項を発表し、広く県内外からの応募を呼び掛けた。同日、饒平名会長、宮古島市の座喜味一幸市長、市教育委員会の大城裕子教育長らが市役所会議室で記者会見した。募集作品は第1回から一貫している「島」をテーマとした短編小説。応募資格は不問で、応募期間は10月1日~31日。饒平名会長は「島が内包する豊かな表情が紡がれた魅力ある作品を期待している」とアピールした。
同賞は現在まで受け継がれてきた宮古島の文学風土の振興を図り、島を渡る風とサンゴ礁に育まれる風土を宮古から全国に発信することを目的としている。2017年の創設以来、第5回までに宮古島市を含む全国から564点の応募があった。前回は79点の応募があり、10代から70代まで幅広い年齢層から作品が集まった。
21年に5回の節目を迎えたことを契機にテーマの「島」を継続するかについて選考委員24人を対象にアンケート調査し、「変えないほうがよい」という回答が60%を超えたという。
多くの意見が寄せられるなか最終選考委員長を務めた作家の椎名誠さんから「島というテーマがこの賞の唯一の特徴。これからも『島文学』として捉えた方がよいのではないか」と提案があり、テーマを継続することを決定した。
募集作品は日本語で書かれた未発表のオリジナル作品で、1人あたり1作品に限られる。1席の入賞者には賞状・副賞(50万円)・記念品が贈られる。入賞者は23年2月3日に発表予定で、作品は同協会ホームページに掲載する。
座喜味市長は「小さな島から独自の文学賞が発信できることは大変な誇り。コロナ禍で社会が大きく変わる中、新たな方向性の作品が生まれるのではないか」、大城教育長は「ジャンルを問わない大胆な募集形式、県内唯一の全国募集など特徴ある文学賞となっている。独自の文学を発展させる役割を果たしてほしい」とそれぞれ期待した。