伊良部のキビ収穫遅れ 西銘沖縄相に市議団3会派が要請
【那覇支局】長雨の影響で、ハーベスターが稼働できないことなどを理由に伊良部地区では未収穫のサトウキビが約6000㌧にも上っている。国の交付金対象期限が今月末までに迫る中、20日、地元農家に対する交付金の救済措置を図るように市議会の3会派が那覇市内で西銘恒三郎沖縄担当相に要請した。西銘沖縄相は「農林水産省の担当者に既に連絡をして対応に当たっている。遅れても大丈夫だと聞いている」と話し、6月に入って収穫された分も、交付対象となる見通しとなった。
要請者らによると、国は「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」に基づき、2022年度の交付金は1㌧当たり1万6860円支給しており、農家の大きな収入源になっている。支給対象が10月1日から5月31日までとなっており、長雨の影響で収穫が滞っていたことから、今回の要請で期日を過ぎても支給できるように求めた。
山里雅彦市議は「農家の生活が脅かされないように農水省やJAを中心とした関係各団体との迅速な調整を図り、問題解決に尽力することを要請する」と話した。
西銘沖縄相は「エネルギー価格の高騰など物価が上昇している。農水省の担当者にはさとうきびの交付金を上げるように求め続けている。農家の生産量を増やせるように考えるのが沖縄担当相の仕事だと思っている」と前向きに対応する考えを示した。
要請後、山里市議は「31日の期日まで時間があまりない状況なので、国にしっかりと対応してもらうため、早めに要請した。地元が潤い、農家の安心安全な製糖期間にしたい」、狩俣政作市議は「期間を実情に即した柔軟な運用を進めた大臣に感謝している。一方で、伊良部地区の収穫量の伸びと製糖工場の処理能力が合っていないことも課題だと考えている」、下地信男市議は「1日の圧搾量が向上するように施設の整備をお願いしたい。水の整備などが進んでいるが、今後も大臣に要請していきたい」とそれぞれ話した。要請には、市議会の保守宮古未来会、公明党、自民党の3会派が行った。