22年地価公示最高は西里羽立「ジブラルタ生命」
【那覇支局】沖縄総合事務局は22日、国土交通省が発表した2022年1月1日時点の地価公示の県内分の結果を発表した。宮古島市は地価の平均変動率が住宅地は前年比プラス5.3%で県内1位、商業地がプラス2.6%で北谷町の4%に次ぐ2位、全用途もプラス4.6%で糸満市の5%に次ぐ県内2位となった。地点別では、住宅地の上野字野原東方原1104番がプラス19.4%で県内1位、全国18位に入った。宮古地区8地点の最高価格は商業地の市平良字西里羽立391番外の「ジブラルタ生命」の前年比2.9%増の1平方㍍9万4500円だった。調査はオミクロン株感染拡大前の状況で、実態が反映されていない可能性もある。
地価公示分科会代表幹事の濱元毅不動産鑑定士は住宅地の地価について「新型コロナによって観光産業が大きな影響を受け、世帯収入にも影響し、住宅需要はやや鈍化した」と指摘しつつも「価格帯の高い市街地から郊外の既成集落内の価格帯が安い住宅地を買い求める動きが顕在化し、供給者側の地価上昇に対する認識も広がったことで、上野の急激な上昇や城辺比嘉などの既成集落の地価上昇が著しかった」と説明した。その上で「市役所の移転などによって市街地が東に移動した影響もあったと思われ、市街地の近くながらも相対的に値ごろ感の強い、上野や城辺の地価上昇につながったと考えられる」と述べた。
商業地については「21年の上半期の入域観光客数はコロナ禍前の3割水準にまで落ち込み、コロナ禍においては、短期的な先行きの不透明感は強まっている」と指摘しつつも「元々商業地の供給エリアが狭いこともあって、中長期的な観点からの投資需要は底堅く、新型コロナの終息感が徐々に出てきたことで、対象の2地点とも上昇幅を若干であるが、拡大した」と話した。
県全体で住宅地の平均変動率は9年連続プラス2%の10万5500円、商業地も9年連続の同0.7%プラスの21万2000円、全用途も9年連続の同2%プラスの13万8900円となっている。東京.大阪.名古屋圏以外の地方圏内での工業地、全用途ともに糸満市西崎5丁目8番7外の上昇変動率がそれぞれプラス28.4%でトップになった。県内の最高価格は商業地が21年連続で那覇市久茂地3丁目1番1の前年度比マイナス1%の1平方㍍193万円、住宅地が同ゼロの那覇市おもろまち3丁目6番11の1平方㍍38万2000円だった。
県内標準地は21市町村の192地点(住宅地126、宅地見込1、商業地60、工業地5)。宮古島市は8地点(住宅地6、商業地2)が設定されている。