子牛平均価格が50万円を下回った7月期肉用牛セリ市 =宮古家畜市場

再び50万円台割り込む 子牛平均価格46万円 7月期牛セリ

 JAおおきなわ宮古地区本部(下地誠本部長)の2023年7月期肉用牛セリ市が19日、宮古家畜セリ市場で行われた。月齢12カ月以内の子牛は282頭(98・60%)が販売され、1頭当たりの平均価格は46万4126円で前年同月比13万3339円安、前月比3万8244円安となり、今年5月に続いて50万円台を割り込んだ。飼料価格の高騰と牛肉需要が回復せず子牛価格は低迷が続いているが、上昇の兆しは見えず農家には厳しい状況となっている。
 総販売額は1億4006万円。子牛価格の内訳は去勢が51万7606円で前年同月比13万4158円安、3万8244円安、牝が35万8855円で前年同月比14万6396円安、前月比7万2078円安。1頭当たりの最高価格は去勢が81万8400円、牝が59万1800円。平均体重は去勢が298㌔、牝が262㌔で計286㌔。成牛1頭当たりの平均価格は17万6550円で前年同月比4万9253円安、前月比1万2542円安。
 子牛のセリ価格は飼料価格の高騰、牛肉需要が回復せず枝肉価格が低迷しているため昨年5月から下落傾向が続いており、今年5月には46万4307円とほぼ10年前の水準まで低下。6月は50万2370円と持ち直したが、再び50万円台を割り込んだ。経費高と価格安で全国的に畜産農家は厳しい経営状況にあるが価格上昇の希望的要素が見えないという。
 JA宮古地区畜産振興センターは「従来なら価格は夏場に下がって年末に向けて上がっていくが、現在の価格推移は違う。上がる要素が見えず先が読めない。枝肉価格が上がって購買者の経営が安定しなければ子牛価格も上がらない」と頭を抱える。
 この日、上場した城辺の40代農家は「目標価格に届かなかった。先輩から10年に1度は下がることがあると聞いた。上がると期待しないとやっていけない。今は相当厳しいが耐えるしかない」と述べた。下地の農家は「50万円を下回ると採算的に厳しい。価格を上げるのは難しいが、経営を持続させるためにも経費への支援があれば」と話した。

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