井上美香のあんちいーやー③花を愛する心は島を愛すること

 最近島のいたるところにブーゲンビレアにハイビスカス、デイゴ、アマリリス、テッポウユリが私たちの目を癒してくれる。見た目にはわからないが道路沿いの街路樹の植栽マスは様々なボランティア団体によって花々や草刈りなどが行われ、維持管理されている。
 その中でも私の一番好きな道が平良から池間に抜ける県道230号の池間大浦線の狩俣街道だ。トライアスロンのコースにもなっていてストレートに池間まで伸びるストレートの道が何とも気持ちいい。

ヤギと宮古島まもる君の島らしい景色

 「狩俣の入り口にゆぴと農園」ー。その向かいの宮古島まもる君がいる花壇。狩俣集落の花いっぱいぶりに影響を受け『くこりもや』という障害のある方の就労支援施設の方々と共同で綺麗な花を植えられ美しい。
 さらに先に進むと左手に見えてくる狩俣優美園はテッポウユリを植えている。狩俣だけで団体、個人合わせて5団体が花壇を管理しているという。学校前、個人商店の前、一般家庭前いたるところの街路樹の植栽マスや手作り花壇があり、綺麗に花々が植えられそこはまるで植物園のよう。

花で彩られた植栽マス

 まっすぐに伸びる一本道、気持ちが良くて思わずスピードが加速しがちだが花の美しさに減速して安全運転になる。
 狩俣自治会の國仲義隆自治会長に聞くと、花好きな方が多く、競争意欲もわき「雑草を生やさないぞ!」と自分たちが任されているエリアに責任感も生まれているようだ。
 狩俣在住の池間杉子さんはご主人の協力もあり、2つの花壇を管理。「孫もいて小学校の通学路で横断しないといけないので心配。美しい花を見て、少しでもスピードを緩めてもらえたら」という願いが込められている。

池間さんが手がける花壇

 珍しい花も見ることができ、花愛好家の方達の思いが道路に現れている。私のリサーチでは花いっぱいの地域には、ゴミが落ちていない。
 一方で歩道が草を覆い尽くし通れないくらいの道にはポイ捨てが後を絶たない。除草剤を撒かず手でしつこい雑草と対峙するのは並々ならぬ努力がいる。私も自分の住んでいる道路には6つの街路樹が植えられた植栽マスがあり、そこに花を植えたいと思い、しぶとく生えているカヤやセンダン草を取り除くのに一苦労。まだ花を植える段階に至ってもいない。これからは台風シーズン到来、早く何か植えなければと気持ちだけが焦るばかり。花壇作りのスペシャリストたちにお知恵を拝借したい。
 ボランティアで取り組む皆さんの努力がもっとたくさんの人に届くよう、他にもこんな風に通りたくなる道がたくさん増える様にいいアイデアが思いついた。
 「花いっぱいロードマップ」を作ってみてはどうだろうか。ドライブがてら綺麗な場所を散策するのだ。ボランティアの方々も励みになり、地域のコミュニケーションも増え、活性化にもつながり、名所ともなる。海の青さに負けないくらい、陸は花の美しさで綺麗にしようではないか。
 花を育て、地域の景観を良くするのは、心の余裕と時間をあえて作ろうと思わなければなかなかできない。
 自分の住む場所を綺麗にしたいという心。それは島を愛し、この大地に感謝しているからこそできる浄化のようにも感じる。コロナ禍で誰も予測できない未来だからこそ、自分の身の回りのちょっと広い範囲まで感謝の思いを形にしていきたい。

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