「防衛強化喫緊の課題」 土地規制法で副市長 市議会一般質問
宮古島市議会(上地廣敏議長)の6月定例会は22日、一般質問が始まった。今定例会では22人の議員が質問を通告しており、初日は5人が登壇。うち我如古三雄氏は、自衛隊基地などの周辺土地利用を規制する「重要土地利用規制法」について質問。市での区域指定についての国との協議状況、同法に関する座喜味一幸市長の見解をただした。嘉数登副市長が「防衛体制の強化は喫緊の課題で、機能維持は必要」として、同法の趣旨に理解を示した。
重要土地利用規制法は、自衛隊の基地など安全保障上重要な施設周辺の土地利用を規制するもの。重要施設のおおむね1㌔の範囲や国境付近の離島などを「注視区域」に指定。このうち司令部機能がある自衛隊基地周辺など、特に重要性の高い区域を「特別注視区域」と定めている。土地所有者の氏名や国籍などを国が調査することができるようになる。
我如古氏は、「国は宮古島市でも指定を行う方針。国との協議状況を教えてほしい。また指定が必要かどうかについて、市長自身の考えを伺いたい」と質問。
久貝順一企画政策部長が、5月に指定が見込まれる地域についての意見聴取があったと明かし、「地理的状況や開発計画、開発行為の有無など、現状を調査する内容。関係各課の情報を取りまとめ、6月12日付で国に回答した。今後については、国から通知が届いていない」と述べた。
座喜味市長は「事務的な調査はあったが、進める上ではいくつかの課題がある。丁寧な説明をしていくべきとの意見を申し上げた」と述べるにとどめた。
嘉数登副市長が「南西諸島では領空・領海侵犯が繰り返されており、防衛体制の強化が喫緊の課題であると理解している。また、防衛施設への阻害行為が防がれ、機能が十分に維持できるという同法の目的も理解している」と答弁。
嘉数副市長はその上で、「私権制限を懸念する市民の声もある。十分な情報提供や丁寧な周知、関係自治体の意見尊重が必要。また区域の指定は可能な限り最小限にとどめ、区域ごとに機能阻害行為を明らかにするなどの対応も必要と考えている。県と連携を取りながら対応したい」と述べた。
我如古氏は「市長と副市長の答弁で、(当局は)『必要だ』と認識していると理解した」と話した。