沖電が値上げを再申請 標準家庭で6月から9265円
【那覇支局】政府は16日、物価問題に関する関係閣僚会議を開き、沖縄電力(浦添市)など大手電力7社が国に申請している電気料金の値上げを了承した。沖電は値上げ幅を圧縮した料金を再度申請する。再申請が認められれば県内の電気料金は標準的な家庭(従量電灯、1カ月の使用量260㌔㍗時)では現行の8314円から6月以降は33・3%(2771円)増の1万1085円に値上げとなるが、政府による負担軽減策で、値上げ幅は11・4%(951円)増に圧縮されて9265円になる。また、6月からは内閣府と県による追加支援も予定されており、電気料金は更に割引される見込みとなっている。
同社は2022年11月に一般家庭向けで39・3%の値上げを経済産業省に申請していたが、補正指示や6月の燃料費等調整費用がマイナスとなったことから6圧縮した33・3%の値上げを再申請した。総原価は22年11月の1732億円から圧縮して1635億円に補正申請する。今回の97億円と合わせて同社のコスト削減額は233億円になった。同社は社員給与水準の引き下げなどで人件費を25億円、LNG(液化天然ガス)・石炭機の運用効率化による燃料費の低減などで燃料費を168億円のコスト削減を実施するとしている。
政府の方針を受けて、同社は同日、那覇市内で会見を開いた。本永浩之社長は「申請段階でも最大限の経営効率化を織り込み、お客様の理解を求めてきた。補正がしっかりできるようにこれまで以上に効率化をしないといけない。示された補正の内容の効率化に取り組む」と話した。
その上で「あらゆる機会を通じてお客様との接点をこれまで以上に増やして、今回の値上げの内容について丁寧に説明する機会を増やしていきたい」と述べ、値上げに至った背景、経営効率化の取り組み、値上げの内容などをホームページで説明するとともにダイレクトメール、電話や訪問などで丁寧に説明を行うとしている。
今後について本永社長は「足元で燃料価格が申請時よりも落ち着いている。この状況が推移すれば、お客様の負担は軽減されるのではないかと思う」と話した。