キビ支援事業を削除した21年度補正予算の修正を可決した =市議会本会議場

市議会本会議 キビ支援2度目の削除

 宮古島市議会3月定例会(上地廣敏議長)は10日、2021年度一般会計補正予算など先議案件8件の採決を行った。下地茜総務財政委員長がサトウキビ収穫管理事業に係る1億6675万円を減額修正したことを報告。採決では12対10の賛成多数で修正案を可決した。同事業の削除は前年度当初予算に続き2度目。22年度当初予算にも21/22年産キビにトン当たり500円を給付する同じ事業が計上されており、討論の行方が注目される。

21年度一般会計補正予算修正への賛否

 修正案は農業振興事務費のキビ収穫管理支援事業1億6352万円と委託料3232万円を減額し、補正額11億8513万円とするもの。採決では野党10人(下地信男氏が欠席)と中立2人が賛成、与党10人が反対し、12対10の賛成多数で可決された。
 討論では修正に賛成の立場から野党の新里匠氏と山里雅彦氏、与党から長崎富夫氏と山下誠氏のそれぞれ2人が意見を述べた。
 新里氏は高齢化や資材高騰への支援に理解を示しながらも「500円の補助が問題解決に資するという説明がない。農薬などへの補助率が低いが、財政運営の中で最大限の支援をしていると理解していた。1・6億円のお金を出せるなら、先ずはそちらに使うべき」と述べた。
 山里氏も同じく農薬などへの補助率アップを求め「生産基盤強化を図ることが、市長の訴える農家経営の安定、農業所得の向上につながる」と話した。
 長崎氏は農業振興を政策の一丁目一番地に掲げて当選した座喜味市長は市民の理解を得ていると指摘した上で、「キビ以外の農業や水産業にもさまざまな手厚い補助がありこの事業は全く『バラマキ』にあたらない。購買力が高まり、コロナ禍で冷え切った経済の活性化にも資する」と語った。
 山下氏は農薬などの補助率向上は重要としつつ「5割にするのは宮古島市の財政的に無理があり、限られた財源の中で何が出来るかを考えて市長は提案している。去年に続いて2回もカットされては農家の生産意欲が下がる」と訴えた
 22年度一般会計予算は、8日の予算決算委員会(下地茜委員長)で採決される予定だったが、キビ支援事業の22年度分が含まれていることなどから見送られた。同委員会の開催日は未定で、17日から始まる一般質問を含め、25日の最終本会議まで同事業を巡り論戦が続くことが予想される。
 同日の本会議は、特別会計補正5件、公営企業会計2件をいずれも原案通り全会一致で可決した。

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