平良西里 不発弾、無事に安全化
平良字西里の住宅解体現場で発見された米国製300ポンド投下爆雷不発弾が20日午後2時59分、陸上自衛隊第101不発弾処理隊によって無事に安全化処理された。現場は住宅などが密集する中心市街地で、半径200㍍の約400世帯700人の住民や事業所が避難対象となり、市役所総合庁舎1階ロビーには避難所が設置された。午後1時50分から立入・交通規制が実施され、警察や消防団が周囲を警戒する中で作業は行われた。
不発弾処理に向けて市では先月下旬から対象区域内の住宅などを訪問して事前に告知。この日は午後1時ごろから広報車が巡回して呼び掛け、職員100人が避難確認を行った。同1時45分には市役所総合庁舎内に現地対策本部が設置され、同2時に現場に処理作業の開始を宣言した。
処理作業は直径3㍍、深さ6㍍の土砂に覆われた処理壕の底に不発弾を搬入して行われた。最初は信管を回転させて取り外そうとしたが変形していたためできず、ノコギリで切断して内部の炸薬をかき出した。処理壕内は狭く粉塵が舞い、隊員を交代しながら作業が進められ、午後2時59分に安全化した。
同隊の坂本雄太処理班長は「70年以上も地中に埋まっていたせいか意外と脆くなっていた。3時間の作業を見積もっていたが予想以上に早く安全に処理できた」と説明した。
市防災危機管理課の川滿秀誉調整官は「今回は市民や関係機関、ホテルなど事業所の協力があってスムーズに避難が進み、作業を時間内に終えられたことに感謝したい」と述べた。
市役所総合庁舎1階ロビーの避難所には10人が避難した。埼玉県出身の20代のホテル従業員は「沖縄に来て1年経っていない。戦争を写真などでしか知らない世代なので驚いた。宿泊客の避難はスタッフのチームワークで対応できた。貴重な体験になった」と話していた。