奨学金、初の給付型に
宮古島市教育委員会(大城裕子教育長)は24日、市役所で2021年度第17回定例会を開き、22年度から開始予定の給付型奨学金と、閉校した6小中学校の跡地利活用検討委員会の設置に関する要綱を審議し、いずれも承認した。給付型奨学金は市初となり、給付額は年36万(月3万)円。財源として下地玄信育英基金を活用する条例案が昨年の市議会12月定例会で可決されていた。
同基金は14年、下地玄信育英会が解散する際に青少年の健全育成に活用してほしいと市に寄贈したものを原資とする。市は年36万円の貸与型で奨学金を募集していたが、応募のない状況が長く続いていた。
給付型へ変更するための改正案を昨年12月に議会に提案。教職員が市と提携する福井大学連合教職大学院に進学する際の入学金の助成にも使用すると定めていることに異論が出て、付託された文教社会委員会から一時修正を求められたが、委員会と当局の協議を経て原案通り可決された。
22年度から給付型奨学金を開始するための実施要項と審査要綱を大城教育長が委員会に提出。文言などの軽微な訂正はあったものの、了承された。
受給資格は市内の高校3年生で大学入学が決定している、また見込まれており学業成績が優秀であるものの、経済的理由により就学が困難と認められるものであることなど。新規の採用は年2人以内。
貸与型奨学金を併用して受給することは可能だが、他制度による給付型奨学金との併用はできない。また、奨学生は毎年成績証明書を提出する必要がある。
跡地利活用の検討対象となっているのは▽旧佐良浜小▽旧伊良部小▽旧宮原小▽旧来間小中▽旧福嶺中▽旧伊良部中―。長期的視点で適正に管理し、利活用計画を策定するために委員会を設置する。
計画は1校ごと個別に策定。有効期間は5年間で、達成が困難と認められた場合は見直しを行うものとする。委員長は副市長、副委員長は教育部長が務める。