おおむね左側の地区を住宅系に、右側を公園などに土地利用する方針 =県宮古合同庁舎屋上から撮影

市民と「育てる」まちへ 住環境や公共空間整備 市役所周辺まちづくり

 第4回市役所を核とした新しいまちづくり検討委員会(会長・池田孝之琉大名誉教授)が13日、市役所で開かれた。事務局が説明した基本構想案はおおむね承認され、微修正を経て座喜味一幸市長に答申される予定。中心市街地や平良港周辺と機能を分担し、行政や働く場が集約する定住に向けた市民交流拠点を形成する方針を定めた。快適な住環境や魅力ある公共空間を整備すると同時に、市民参加型の「育てる」まちづくりを目指す。
 構想案は、市役所周辺の約100㌶が対象。平良港・中心市街地・宮古空港を結ぶ市の骨格軸に位置し、市役所をはじめとした行政機関が集積している。観光・商業などの拠点として計画が進められているほかの地区と役割を分担し、拠点連携型の都市を形成する方針。各拠点を回遊する公共交通の充実や、歩きたくなるまちづくりを目指す。
 対象地区の土地利用を大きく2つにゾーニング。平良庁舎方面の北西エリアは住宅系、市役所周辺の南東エリアやシビックコアや公園などを整備する。シビックコアとは、行政・文化・教育・働く場としての交流拠点のこと。住宅地区では下水道整備や狭あい道路の拡張など、快適で安全・安心な環境を整備する。南東地区では多世代間交流拠点整備や、教育・福祉機能などを検討する。
 構想案を取りまとめる過程では、市民の意見や要望を十分に反映させるため、複数回のワークショップやまちづくり市民会議を開催してきた。ワークショップで市民から提案された4つのプロジェクトを展開することが、構想案に盛り込まれている。市役所周辺エリアで交流を生み出すためのアクションを重ね、行政と市民の協働で「まち育て」に取り組んでいく。
 市民会議では参加した生徒から、高校生の遊べる場所がないとの意見があった。それを受け構想案に、重点事業として「魅力ある公園などの公共空間整備」を記載。民間活力の導入による多目的利用▽カフェやにぎわい広場▽体験農園▽飛行機観賞―といった公園機能を検討する。
 構想案策定後も、基本計画検討や中長期的な事業実施と並行して、市民参加のまちづくり会議を継続する。また公有地利活用に向けて、地権者の意向醸成などに取り組む。

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