肉用牛の振興発展を 23年初セリ式典で祈願
JAおきなわの2023年宮古家畜市場初セリ式典が19日、平良山中の同家畜市場で行われた。生産農家や購買者、関係者が今年最初のセリ開催を祝うとともに、生産資材の高騰など厳しい状況を乗り越えて肉用牛が振興発展することを祈願した。引き続き行われた1月期肉用牛セリ市では前里恵春さん(68・上野)が出品した1番牛が149万7100円の高値で落札された。また22年の宮古・多良間家畜市場年間多額購買者8人を表彰した。
式典では同農協の安谷屋行正専務が「昨年は新型コロナの影響が続く中、あらゆる生産資材が高騰し、経営環境はこれまでにない厳しい年になったが、全国和牛能力共進会で県勢過去最高位となる優等4席を獲得した。厳しい中でも生産農家のたゆまぬ努力と組織の英知を結集すれば、難局を乗り越えられることを認識した。JAとしても厳しい状況を打破するため県や市町村と連携強化を図り、畜産振興に取り組んでいきたい」とあいさつ。
来賓の座喜味一幸市長が「県共進会で2年連続の優勝を果たせたのは農家の努力、関係機関の協力のおかげ。宮古には優良な繁殖牛がおり、市としても畜産が生業として持続できるよう支援したい。生産農家、購買者の繁栄を祈念したい」、崎原盛光県農林水産部長(代読)が「沖縄県の肉用牛生産は農家をはじめ関係者の尽力により着実に発展し、地域社会の維持発展、離島の定住促進に大きく貢献している。肥育素牛の安定供給産地として県内家畜市場の発展を願っている」とそれぞれ祝辞を述べた。
1番牛を出品した前里さんは「初セリの1番なので緊張したが、良い値段で買ってもらいほっとしている。生まれた時から良い牛だったので愛情を込めて育ててきた。去年は値段が下がったので、今年はこれを契機に回復してほしい」と話していた。
年間多額購買表彰者は次の通り。
▽水迫畜産(鹿児島)▽山口畜産(山形)▽森ファーム(鹿児島・宮崎)▽小田畜産(鹿児島)▽大川畜産(千葉)▽皇子原肥育牧場(宮崎)▽秋山畜産(静岡)▽もとぶ牧場(沖縄)