出演者と観客が一緒に漲水のクイチャーを踊りフェスティバルを締めくくった =JTAドーム宮古島

クイチャーで会場一体 3年ぶりフェスティバル

 クイチャーフェスティバル2022(主催・同実行委員会、共催・宮古島市及び市教育委員会)が5日、JTAドーム宮古島で3年ぶりに開催された。伝統と創作の両部に12団体が出場し多彩な演技を披露、最後は出演者と観客が一体となって盛大に漲水のクイチャーを踊り締めくくった。今回が21回目となる同フェスは、本土復帰50周年記念事業「美ら島おきなわ文化祭」の特別連携事業として開かれた。
 大会長を務める座喜味一幸市長が「クイチャーのクイは『声』、チャーは『合わす』の意と解されている。性別、年齢に関係なく誰でも踊れる宮古地域を代表する民俗芸能であり、常に人々の生活の中で踊り継がれてきた」と紹介。「輪の中に加わり、共に歌い踊る喜びが大きな魅力。多彩なクイチャーの迫力や熱気を心ゆくまで堪能してほしい」と呼びかけた。
 フェスティバルは宮古民謡協会の三線演奏で幕開け。比嘉民俗芸能保存会▽宮国民族芸能保存会▽漲水クイチャー保存会▽保良クイチャー保存会▽下地クイチャー保存会▽多良間村文化協会▽川満棒踊り保存会―の7団体がそれぞれ宮古各地に伝わる伝統のクイチャーを披露した。
 創作部門では平良裕明民謡研究所が三線に乗せて歌声を響かせ、宮古島創作芸能団んきゃーんじゅく▽新羅withぶどぅれサンガ▽創作演武団SUZAKU―が個性豊かな創作クイチャーを踊った。
 ゲスト出演した下地暁実行委員会名誉顧問らの演奏で、出演者らが「みるく世ぬ声合(クイチャー)」を舞い、最後は漲水クイチャーで会場が一体となった。
 東京から宮古島市に移住して10年になるという仲村眞治さん(66)は「運動会などではエイサーが盛んだが、宮古を良く知るとクイチャーこそが地域に根付き守られてきた大切な伝統と感じる。素晴らしいイベントをこれからも大切に続けてほしい」と話した。
 下地顧問は「実行委員会のメンバーも30代で、宮古芸能の未来は明るいと思う。クイチャーは皆の共有財産。思いを一つにしながらこれからも取り組んでいきたい」と語った。
 美ら島おきなわ文化祭の一環として6日、マティダ市民劇場で宮古芸能フェスティバルが開かれる。

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