大型連休中のタクシー供給不足について話す下地代表
宮古タクシー事業協同組合事務所
宮古タクシー協会 連休中の運行台数不足に苦情相次ぐ
宮古タクシー事業協同組合(下地隆之代表)は10日、コロナ禍で運行台数を減らした影響で大型連休中に、急増した需要に対し運行台数が足りない、いわゆる「キャパオーバー」となり、観光客や地元客から多くの苦情が各社にあったことを明らかにした。下地代表は回復の兆しのある観光需要を踏まえ、「タクシー業界全体で対策が必要」との認識を示した。
下地代表によると、同組合所属のタクシーは現在180台。コロナ禍で利用客が激減し、コロナ以前と比べて25台減少したという。大型連休中は「経験したことのない忙しさ」で、「運転手は1日の勤務中トイレや食事に行くこともできず、各社はぎりぎりの対応だった」と状況を説明した。
観光客から「宮古島は観光地なのに移動手段が少ない。タクシー会社に電話しても誰も出ない」などの苦情があり、下地代表は「インターネット上でこういった噂が広まると観光客が減ってしまうかも」と危機感を露わにした。一方、地元客からも「観光客ばかり優先しているのではないか」との批判があったとし、「各社頑張っていたが、地元のお客様にも迷惑をかけた」と肩を落とした。
この上で下地代表は、「大型連休のニーズに応えられなかったこと」を踏まえ、「いろいろな課題が見えた。タクシーが使えないと病院に行くことができない人もいる。行政にも働きかけて、移動困難者が出ないような体制を作りたい」と改善に向け取り組む姿勢を見せた。
さらに「島のタクシー会社は高齢化、人手不足が深刻。若い人にタクシー運転手が魅力的な仕事だと感じてもらえるようにしなければ」とし、「国と折衝が必要だが、増車と待遇改善のため運賃の値上げも考えている」と述べた。