JTAが貨物臨時便 野菜滞貨防ぐ
日本トランスオーシャン航空(JTA)は12日、最盛期を迎えている冬春期野菜など生鮮品の滞貨を防ごうと那覇―宮古線に貨物臨時便1往復を運航し、ゴーヤなど5・6㌧を輸送した。新型コロナウイルス感染拡大の影響による減便が続く中、1便当たりの積載貨物量が増加しており、今後も貨物の状況を見ながら必要があれば臨時便で対応する。宮古地区の冬春期野菜は今後さらに増加が見込まれ、農業関係者は「とても助かる」と安堵していた。
貨物臨時便は午前10時半に那覇空港を出発して午前11時15分には宮古空港に到着した。この日、宮古から輸送される野菜のほとんどはゴーヤで、その他にインゲンやトウガン、ピーマンなどが集荷された。JTAの職員たちは箱詰めにされた野菜を一つずつベルトコンベアで貨物臨時便の機内に次々と積み込んでいった。
冬春期最初の貨物臨時便にJALスカイエアポート沖縄宮古空港所貨物担当の狩俣昌弘さんは「これから4月にかけて青果は増えてくる。今後も状況を確認しながら滞貨が発生しそうになれば、地元のためにも本社に臨時便を要請したい。地元の新鮮な野菜を早く届けることが私たち航空会社の役割」と話していた。
今回の貨物臨時便は県の航空物流機能回復事業の補助を受けて実施された。JTA、琉球エアーコミューターの宮古空港を発着する路線は今月も約30%の減便が続いており、1便当たりの貨物量は増加しているという。また昨年は5月と7月に計38便の貨物臨時便を運航した。
JAおきなわ宮古地区営農振興センター農産部によると、これまでに滞貨は発生していないが、ゴーヤやトウガンなどの出荷は最盛期に入っている。昨年12月の日照不足など悪天候で全体的に出遅れぎみとなり、3~4月の出荷量が例年よりも増える傾向にあるという。貨物臨時便の運航に同農産部は「これから出荷量が増えてくるので助かる」と話した。