白鳥の防護柵の腐食深刻、老朽化進む 伊良部島北岸 景観悪化と安全性に懸念の声
伊良部島の北岸を走る一周道路(市道)で、景観のシンボルとなっている「白鳥型」の木製防護柵(ガードレール)の老朽化が深刻な問題となっている。過酷な塩害環境により根元から腐食が進んでおり、絶景を楽しみに訪れる観光客らの安全面でのリスクを指摘する声や地元住民から落胆の声も相次いでいる。破損状況について市道路建設課は状態を認識しているとした上で、「年内の修繕を目標にしている」と回答した。

伊良部島の形状や飛来伝説にちなんだ「白鳥」を象った木製の防護柵は、特に「白鳥崎」付近の断崖絶壁とエメラルドグリーンの海が広がる屈指のビューポイントに設置され、SNS映えするフォトスポットとしても人気が高い。しかし現在は塗装がはげ落ち、内部の鉄筋が錆びて赤茶色に露出。支柱が腐食して手で触れると崩れ落ちそうな箇所や、接合部が外れて大きく傾いているものも散見される無残な状態となっている。
毎日この道を散歩しているという72歳男性は「ここは常に潮をかぶる場所で、限界が来ている。もし子供が寄りかかって折れたら、そのまま崖下に転落しかねない。毎日ヒヤヒヤする」と表情を曇らせる。この日、レンタカーで訪れた県外からの観光客からも「海が本当にきれいで感動したのに、ボロボロの柵が目に入って悲しい気持ちになった。もったいない」との声が上がった。
2015年の伊良部大橋開通以降、観光客数は飛躍的に増加しており、公共施設の維持管理は自治体にとっても大きな負担だ。市側は定期的な点検と部分的な修繕は行っているものの、全区間の刷新には多額の予算が必要になる。
その一方で放置すれば観光資源としての価値低下だけでなく人身事故につながる恐れもあり、安全管理との両立が大きな課題となっている。
本紙の取材に対し、市道路建設課は該当箇所の老朽化による破損を認識しており、年内修繕を目標に動いていると回答。また、破損等の通報情報については現在、国管理のシステム「道路緊急ダイヤル」の利用を通じて速やかに当局へ届く体制になっていると説明した。
だが、市民からは市公式LINE内「不法投棄通報ボタン」のような、道路破損をその場で写真に撮って報告できる仕組みの導入を待ち望む声もある。


