抑止力強化と住民保護議論 沖縄安全保障シンポ、那覇で開催 「自分事」として平和考える
【那覇支局】緊迫する国際情勢下での日本の安全保障を考える「沖縄安全保障シンポジウム」(共催・笹川平和財団、平和・安全保障研究所)が7日、那覇市のノボテル沖縄那覇で開かれた。元統合幕僚長の山崎幸二氏が基調講演し、中国や北朝鮮、ロシアの動向を踏まえ、防衛力の抜本的強化と南西地域の防衛体制の強化が重要との認識を示した。外務省沖縄担当大使の紀谷昌彦氏らによるパネル討論も行われ、インド太平洋地域の安全保障環境と日米同盟の役割などを巡り意見が交わされた。
シンポジウムは「厳しさを増す国際情勢と日本の安全保障戦略」をテーマに開催。「激変する安全保障環境と日本の防衛」と題して講演した山崎氏は、日本を取り巻く安全保障環境について「中国の軍事力増強や北朝鮮の核・ミサイル開発、ロシアの軍事行動などにより、想定以上に厳しさを増している」と指摘し、ロシアのウクライナ侵攻や中国の軍事動向に触れ、「力による現状変更を許さないための抑止力が必要だ」と強調した。
その上で政府が進める防衛力の強化方針にも触れ、「南西地域の防衛を重視しつつ、全国規模での複合事態に対応できる体制の構築が必要だ」と述べ、国民の理解と協力が不可欠であると述べた。
続くパネルディスカッションでは、山崎氏に加え、同研究所理事長の徳地秀士氏、国際日本文化研究センター教授の楠綾子氏、東京国際大学特命教授の村井友秀氏が登壇し、台湾海峡の緊張や中国の軍事動向を踏まえ、いかにして紛争を未然に防ぐかという「抑止」の在り方が焦点となり、国際秩序の変化やインド太平洋地域の安全保障情勢だけでなく国際秩序の変化やインド太平洋地域の安全保障情勢をそれぞれが論じた。
楠氏は、歴史的視点から見た日本の安全保障政策と外交の関わり、実効性のある抑止体制を構築するための課題について言及。村井氏は地政学的な視点から、沖縄が置かれた現状を分析し、国民一人ひとりが安全保障への理解を深めることが、結果として抑止力の一部として機能することを説いた。
また、抑止が破綻した際の備えにも及び、自衛隊と自治体が連携した住民保護の体制構築や、有事の際の具体的な避難計画の策定を急ぐべきだとの認識を共有した。
質疑応答では、参加者から「米軍基地があることで攻撃対象になるのではないか」という不安や、SNS等を通じた情報工作への懸念が寄せられた。これに対しパネリストらは、正確な情報の把握と、官民が連携してリスクを最小化する努力の重要性を説いた。
閉会にあたり、徳地理事長は「沖縄の安全は日本の安全に直結する。対話を通じて自分事として考える機会にしてほしい」と総括した。


