「対中国の処方箋」麗澤大学特別教授 元空将 織田邦男

麗澤大学特別教授 元空将 織田邦男
 1月、高市政権は解散に打ってでて、歴史に残る衆議院選挙圧勝の結果を得た。トランプ米大統領は、「非常に重要な選挙で地滑り的勝利を収めた高市総理と彼女の連立政権に祝意を表する」と全面的な支持を表明した。
 昨年11月、高市総理の「存立危機事態」発言以降、中国側は激しく反発。「戦後外交のレッドラインを越えた」、「軍国主義の復活」など、外交・経済・軍事のあらゆる面から圧力をかけ続けていた。日中関係は戦後最悪といわれる。
 だが中国が「高市バッシング」を続ければ続けるほど、高市政権の支持率は上がり、選挙では圧勝。政権基盤は盤石になって長期政権の可能性も出て来た。
 そもそも高市発言自体は何ら間違っていないし、過去、高市氏はメディア等で同じ趣旨の持論を展開していた。ただ政府の公式見解としては「事態をあらかじめ特定することは困難」としてきたので、一歩踏み込んだ表現であることは確かだ。
 中国は靖国神社参拝を続けてきた保守の高市氏をもともと嫌っており、これを好機として、あわよくば高市政権を葬り去ろうとしていたようだ。レアアース輸出規制、水産物輸入停止、日本への渡航自粛など、大人げないやり口で恫喝を続けた。この激しい反応に恐れをなし、発言を撤回して謝罪すべきと主張する野党や有識者もいる。だが、これは中国が「力の信奉者」である本質を見誤るものである。中国は強い者には敬意を払うが、弱い者には強く出て従属させようとする。ここで日本が下手に出れば、問題解決どころか、弱い日本を見下し、更に圧力を加えてくるのは間違いない。現時点で撤回すれば更なる事態の悪化をもたらす。唯一の解決策は、高市政権が強い政権であることを示すしかない。幸いにも高市氏は見事に選挙で圧勝し、「盤石さ」を証明した。
 他方、中国は経済が低迷し、また軍の高官を更迭せざるを得ないような国内事情で、日本との関係が低迷したままでいいはずがない。中国は秋に行われるAPECの議長国でもある。このまま支持率の高い高市政権に圧力をかけ続けても、決して中国の国益とはならない。習近平氏も振り上げた拳の下しどころを考えざるを得なくなった。
 中国はメンツの国であり、すぐには変えられないだろう。だが、徐々に日本に秋波を送ってくるはずだ。高市政権としては「窓口はいつでもオープン」と泰然自若に構えておけばいい。それが「力の信奉者」に対する最良の処方箋なのである。

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