震度7の揺れを再現する地震体験車がやってきた =21日、JTAドーム宮古島

体験で“もしも”に備える 防災を知る・体験・備える

 市防災危機管理課と宮古島地方気象台による宮古島市制施行20周年を記念した「防災フェス」が21日、JTAドーム宮古島で開かれた。会場には開始直後から家族連れらが訪れ、午前中だけで約300人が来場。地震体験車や避難体験、炊き出しなど体験型の催しを通して、防災の重要性を学ぶ一日となった。体験型の催しを通して、防災について学びを深めた。

宮古島海保の制服体験


 このイベントは災害はいつ起きるかわからないことから、自然災害について「知る」「体験する」「備える」意識の向上をさまざまな体験を通してその基本を学ぶことを目的に開催された。
 会場で特に人気を集めたのが、モビリティプラス社協力で設置された震度7の揺れを再現する地震体験車。開始直後から行列をなし、体験した砂川綾寧さん(5歳)は「すごく揺れて怖かった。地震が来たらすぐに逃げたい」と話し、父の雄介さんは「震度7になった途端、交通事故のような揺れで衝撃だった。いざという時落ち着いて行動できるよう、体験できて良かった」と真剣な表情を見せ、備えの重要性を実感したようだった。
 宮古島地方気象台のブースでは、地震による液状化現象を再現した地盤の変化などの実験を実施。危険性を分かりやすく説明し、子どもから大人までが足を止めて見入っていた。
 宮古島海上保安部のブースでは、東日本大震災をはじめとする過去の災害を紹介するパネル展示が行われ、災害時の対応や教訓を伝えた。制服を着用して記念撮影ができるコーナーも設けられ、来場者の注目を集めた。
 市消防本部は、煙が充満した空間を再現した「けむり体験コーナー」を設置し、避難時の視界不良や行動の難しさを体感させた。
 また、陸上自衛隊によるカレーの炊き出しも人気で、災害時の食事について理解を深める機会となった。
 沖縄トヨタ自動車は、給電機能を備えた車両や非常用電源の展示を行い、災害時に車が果たすことのできる役割を紹介。来場者は担当者の説明に耳を傾けながら、非常時の備えについて考える様子が見えた。
 防災クイズスタンプラリーでは正解者に20周年記念防災ボトルが贈られたほか、防災カルタや避難所設営訓練、防災グッズの展示販売、など多彩な催しが行われ、来場者は楽しみながら防災意識を高めていた。

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