最後に歌い上げる最優秀賞の狩俣さんと出場者ら =22日夜、伊良部公民館

狩俣さん最優秀の栄冠 トーガニまつり 島に満ちる名歌を魂こめ

 伊良部島を代表する恋歌「伊良部トーガニ」の歌声を競う、第24回伊良部トーガニまつり(同実行委員会主催)が22日夜、伊良部公民館で開かれ、出場者の計18人が熱唱し、切々と歌い上げた。審査の結果、最優秀賞に狩俣良眞さん(平良下里)、特別賞に大河内美紗さん(東京都渋谷区)、島タウガニ部門では池間広寿さん(伊良部国仲)が輝いた。会場では出場者の情感豊かな歌声が響き渡った。
 伊良部トーガニは、宮古を代表する民謡。沖縄本島、八重山にも広く知れ渡り、伊良部島では特に庶民の中に歌い継がれ愛唱されている無形文化遺産の1つ。この文化遺産を保存し、誇りを持って後世に継承するためトーガニの島、伊良部島で開催されている。
 実行委員長の佐久本茂樹さんは「コロナ禍を経て、順調に開催できたのも皆さまの支えがあったからこそ。きょうは練習以上に日頃の成果が発揮でき、来場された方が満足して帰られるような大会であるよう、また毎年行えるように切に願う」とあいさつした。
 伊良部トーガニは、宮古島と伊良部島に住む恋人同士が、海に隔てられ会えない切なさを歌った名だたる名歌。審査委員長の漢那林さんをはじめ、審査員は佐久本実行委員長を含む6人。舞台に上った島内外から17人、伴奏なしで歌う「島タウガニ」に1人の出場者の情感たっぷりに歌に、来場者らは物語の世界に引き込まれた。
 幕開けは大浦良子民謡研究所、審査の間には川満恵子民謡研究所の演奏が大会に花を添えた。
 初参加で最優秀賞を受賞した狩俣さんは「今も信じられない」と感激した様子。「日頃から練習していて、好きな歌で素晴らしい賞を頂いてうれしい。支えてくれた家族や亡き師匠に伝えたい」と話した。
 そのほか出場者は次の皆さん。(敬称略)
【伊良部トーガニ】児童生徒の部=出場者なし▽一般の部=廣田延浩(大阪府吹田市)、徳市直之(富山県高岡市)、岩佐隆司(千葉県我孫子市)、城間敏光(豊見城市上田)、我那覇寿(伊良部池間添)、仲宗根初枝(伊良部国仲)、石川梓(平良東仲宗根)、上地茂徳(平良久貝)、小畑芳弘(平良東仲宗根)、根間美穂(平良西仲宗根)、大河内美沙(東京都渋谷区)、川満忠雄(伊良部仲地)、溝江茂雄(下地上地)、新里直都(那覇市泉崎)、石嶺香織(平良東仲宗根)、上原愛美(平良西里)
【島タウガニの部】池間広寿(伊良部国仲)

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