市議会経工委 キビ収穫支援削除へ

市議会3月定例会は7日、経済工務委員会(西里芳明委員長)を開き、2021年度一般会計補正予算案に関する討論を行った。過半数を占める野党がサトウキビ生産農家にトン当たり500円を支給する収穫管理支援事業を削除した修正案を提出する意向を示したため、同事業は21年度当初予算案に引き続き否決される見込みとなった。修正案の採決は8日の予算決算委員会終了後に行われる予定。同事業は22年度当初予算にも計上されているが、本紙の取材に対し複数の議員が「当局の説明を聞いてから判断する」と含みを持たせた。

 同事業に対しては2日の本会議質疑、4日の委員会審議ともに野党議員から「農業振興につながる具体的な事業に予算を使うべき」、「500円の算出基準が分からない」、「キビ農家へのバラマキ」などと批判が集中していた。
 会派内で意見を取りまとめるとして一旦結論が持ち越されたが、経済工務委で過半数を占める野党が修正案を提出するため、否決がほぼ確実な状況。歳出から同事業を削除し、予備費に組み替えると思われる。
 現在の議会構成は与党10人、中立2人、野党11人。中立会派の動向次第では本会議で賛成多数となる可能性もあるが、反対に回る意向を示している。補正予算案は先議案件として10日に採決が行われる。
 討論では賛成の立場から与党議員2人が「市長は農業振興を選挙公約の重点施策に掲げて当選し、市民の支持を得ている」、「キビ農家が減ると宮古の経済に打撃も大きく、この補助金は製糖工場の安定経営につながる」とそれぞれ述べた。
 反対の立場から野党議員2人が「根拠も示さず安易に500円を上げるという予算執行はあってはならない」、「肥料などの補助上限は50%だが平均すると20数%。そういった補助を増やせば生産意欲は高まる」とただした。
 野党は21年度当初・補正予算と2回連続でキビ収穫支援に反対したが、22年度当初予算に計上されている同事業に対しては、腐植トラッシュの農地還元などで地力増進に取り組む実証事業に1379万円が計上されていることなどを理由に、「当局の説明を聞いてから」と含みを持たせた。
 ある議員は本紙の取材に「去年地力増進に取り組むべきと反対されたのに、それに取り組む前に同じ提案をするのは順番が違う。22年度計上の給付金については、生産性向上にどう取り組むのか話を聞いてから改めて判断したい」と述べた。

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