「安全最優先で再発防止務める」 航行警報解除は人的ミス 宮古島海保が説明、謝罪
第十一管区海上保安本部が宮古島北西約40㌔の海上で実施した武器海上発射試験中、「地域航行警報」を誤って解除した事案について、宮古島市議会与党議員団は11日、市役所で宮古島海上保安部(丹野博信部長)から経緯の説明を受けた。海保側は「確認不足による人的ミス」として丹野部長らが謝罪し、再発防止に向けた具体策を報告した。
説明によると、試験は8日、「発射試験(作動確認)」と「評価試験(性能確認)」の2部構成で実施。海域は池間島灯台から西方約18海里の内海域で半径5海里の警戒区域内で行われたとのこと。
午前11時20分、1回目の発射試験終了報告を那覇の第11管区担当官が全試験終了と誤認。地域航行警報を解除した状態で射撃が続けられた。幸い、付近に民間船舶は確認されず、人的・物的被害はなかった。
原因について、海保は「通信担当者間の意思疎通不足」と「報告の重複による誤認」を挙げた。報告は電子システム上で行われたが、確認プロセスが一人担当で進められ、上位決裁を経ずに解除操作が行われたという。
那覇本部の報告書によると、ナブテックス航行警報(国際海上通報)は継続発出されており、一定の安全確保は機能していたが、「地域航行警報」の誤解除は「重大なリスク」と位置づけられた。
議員団からは12人が出席。「市民への迅速な説明と透明な情報公開を」「現場と那覇本部の意思統一を図るべき」との意見が相次いだ。
海保は今後、再発防止策をとりまとめた上で、市民向けに概要を公表する方針。今後の再発防止策として、▽メール連絡に加え電話による逐次確認を義務化▽解除判断の複数名による二重チェック体制の導入▽試験スケジュールと終了時刻の可視化による異常検知強化▽ヒューマンエラー防止を目的とした教育・訓練の追加実施―などを挙げた。
第十一管区海上保安本部の坂本誠志郎本部長は、「今回の誤解除を重く受け止め、県民や航行者に不安を与えないよう安全確保を第一に再発防止に努める」とコメントしている。


