受章した下地米蔵氏(写真右)と新里聰氏(同左)

各分野の功績たたえ 2025年秋の叙勲

 政府は3日付で、2025年秋の叙勲受章者を発表した。沖縄関係は地方自治や文化財保護など各分野での功績がたたえられた35人が受章。宮古関係では旭日小緩章に建設業振興功労で大米建設会長の下地米蔵さん(71)、旭日双光章に地方自治功労で元宮古島市議の新里聰さん(73)=上野新里=が受章。全国では3963人。外国人叙勲も53カ国・地域の104人も決まった。

◆建設業界の信頼支えた手腕
下地米蔵さん(71) 旭日小綬章(建設業振興功労)

 受章の知らせに下地さんは「驚きと喜びで交差している」と述べた。長年にわたり建設業界の健全な発展と労働環境の改善、安全確保に尽力してきた功績が高く評価された。会長4期8年含む建設業協会理事を28年間、組織改革や業界の課題解決に取り組んだ。
 会長就任は2012年。県建設業連合会、建設労働災害防止協会県支部、厚生年金基金の組織内部の連携を強化し、受注環境の改善・整備、安全対策、福利厚生を一体とする体制の構築など業界全体の底上げに努めた。
 15年10月の那覇空港滑走路増設事業では国土交通省大臣へ要請し、共同企業体の最低出資比率引き上げも成功。県発注工事における最低制限価格の見直しから算定範囲を拡大し、業界の長年の懸案であった、上限値の撤廃を先駆けて実現する画期的な取り組みを行ったほか、自然災害対応の協定締結、飲酒運転根絶、防犯協定など多岐にわたる活動を推進した。
 受章を機に「組織・企業人として若年者が入職しやすい環境の整備、夢と希望が持てる産業の発展に引き続き尽力していく」と決意を述べた。
 下地米蔵(しもじ・よねぞう) 1954年11月3日生まれ。71歳。九州産業大学工学部土木工学科卒。77年大米建設入社。86年から代表取締役専務、2013年から同会長。24年に退任し、現大米グループ会長。全国建設業協会長表彰など受賞多数。

◆議員活動の支えに感謝
新里聰さん(73) 旭日双光章(地方自治功労)

 新里さんは上野村議、市町村合併後は宮古島市議として住民のために尽くした。叙勲受賞の知らせに「うれしい」と笑顔。「家族、親戚はもちろん支援者や応援してくれた新里自治会に感謝している」と話した。
 高校卒業後、トロール船に乗ったあと宮古島に戻り上野村役場に就職。20年働き、46歳で上野村議となり2期務めた。「議会活性化に努め、一般質問では行政経験が役立った。農業振興や反対もあったが(最終的には)新里住民が納得し開発に漕ぎつけた南岸リゾートに取り組んだ」と振り返った。
 市町村合併の賛否で苦労したことも話した。合併から20年、現在には「上野、下地の人口はそう減っていないが城辺、伊良部はかなり減った。(今後は)農業と観光に力を入れていかないと人口は増えない」との考えも語った。
 議員活動については「『信なかば立つ』の信念で市民のために頑張る。それなくして政治活動はなかった。自身や後援会で決めたことは絶対ぶれない姿勢でやってきた」とも振り返った。
 後輩議員らには行政チェックを強調し、最近の職員の不祥事を挙げ、問題が起きた時は与野党関係なく追及する姿勢を求めた。
 新里聰(しんざと・さとし) 上野新里出身。1951年11月30日生まれ。73歳。宮古水産高校卒。上野村役場を経て上野村議会議員2期、宮古島市議会議員3期務める。

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