宮古上布や宮古麻織などが展示されている織物展 =市伝統工芸品センター

宮古上布触れ、作り手と交流 宮古麻織、宮古織も注目

 国の伝統的工芸品指定50周年記念「第4回宮古島の織物展2025inMIYAKO~未来へ繋ぐ~」(宮古織物事業協同組合主催)が1日、市伝統工芸品センターで始まった。組合員らが手績み苧麻糸で織った宮古上布着尺、紡績苧麻糸の宮古麻織着尺、宮古苧麻織着尺、宮古織着尺、小物などが展示販売されている。会場ではブーンミ(苧麻糸づくり)、ブー引き(苧麻の繊維取り)、紙漉き、藍染めなど体験コーナーもあり、訪れた市民らが宮古上布ができるまでの工程を学びながら体験していた。同展は3日まで。

ブーンミ体験する参加者ら


 織物展は宮古上布保持団体、宮古苧麻績み保存会が協力。オープニングセレモニーでは同組合員を中心とした三線グループ「織り女(おりめ)の会」が「トーガニアヤグ」「布納めのあやぐ」を演奏した。
 主催者あいさつした浦崎美由希代表理事は「400年以上前から宮古島の先人たちが手作りの苧麻糸を途絶えることなく織り続けきた宮古上布は献上品になった時代や税金になった時代、戦争で生産できなかった時、宮古島の三大産業と呼ばれた時代もあり、昭和50年には国の伝統的工芸品となり現在に至る。作り手が商品を紹介し管内ガイドも行う。作り手との交流、藍染めのにおいや織りの音、砧打ちの音などを体感していただきたい」と述べた。
 会場では宮古上布(十字絣)着尺5反、宮古上布着尺5反、宮古上布帯地18本、宮古苧麻織着尺・きもの3反・1枚、宮古苧麻織帯地1本、宮古麻織着尺29反、宮古麻織帯地16本、宮古織着尺12反、小物(衣服、ストール、帽子、バッグ、ポーチ、アクセサリー、財布など)約330種約1200点が展示されている。
 ブーンミなど体験コーナーのほか「ブーンミの島」「からむしのこえ」の映画上映も行われている。3日午後2時からは「大先輩のお話」があり、織物との出会いなどについて2人の先輩が染織人生を語る。
 同組合によると2024年度生産は69㌧だという。浦崎代表理事は「宮古上布だけに力を入れてきたが今は若手の育成で宮古麻織、宮古織にも力を入れている。そうするとデザインが豊富に広がっている。宮古麻織や宮古織は戦後宮古の女性たちが作ってきた。どちらかというと島の中で流通してきた部分があるので(今後は)島の外にどんどん出していこうという働きをやっている」と話した。

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