
ホテル議案2件承認 指摘、修正対応を評価委員ら緑地率達成など促す
宮古島市景観審議会(池田孝之会長)の2025年度第2回審議会が17日、市役所で行われた。市(嘉数登市長)から諮問のあった宮古島長間ホテル(仮称)、武蔵野ホテル(仮称)のいずれの議案も承認とした。両ホテルとも委員らの指摘、修正に丁寧に対応していると評価。城辺保良の武蔵野ホテルは緑地率を上げる努力を促したが高さは32㍍から24・25㍍に下げ、吉野海岸からの見え方も高さの変更により稜線から突出した印象が軽減したと評価した。
審議会では、嘉数市長が池田会長に宮古島長間ホテルと武蔵野ホテルの議案を諮問した。
嘉数市長はあいさつで「観光振興により景観をどのように守り、生かしていくかが重要な課題となっている。開発の中で自然産業との調和に配慮しながら次世代に引き継いで美しい風景を守っていくための景観形成に取り組んでいきたい」と述べた。
宮古島長間ホテルは、県道83号線沿いに地上2階建てを計画。高さは基準7㍍を超える9・3㍍、建物の長さは111・6㍍で分節部は低木で見通しを確保したと説明。緩和目安の緑地率は30%に対して35・50%、緑被率は40%に対して55・17%とするなどとした。
高さについては、基準7㍍では高品質なホテルとしての天井高さを確保できないとして高さ制限の緩和を申請した。道路側の壁面は密に植栽して圧迫感を低減したと説明。委員からは道路側の壁面の植栽については、圧迫感の軽減は評価したものの(計画地は)強風があり、台風時の管理面が気になるとの意見があった。
城辺保良の武蔵野ホテルは、前回の審議会で海岸の傾斜に対する高さ、配慮などで調整の余地があるとして不承認となった。
今回の審議会では委員から指摘のあったホテル棟32㍍の高さについて変更し、ホテル棟と共用部棟ともに24・25㍍とした。吉野海岸からホテルが稜線から突出して見えるので工夫の余地があることには「高さの変更(約8㍍減)により稜線からの突出を減らした」と説明した。
委員からは修正を評価する意見がある一方、屋上の植栽が(海沿いの)強風に耐えられるかの疑問の意見があった。これに会社側は「専門家に聞きながら対応しており、低・中木を植えることで強風にも耐えられる」と話した。