威勢よくクイチャーを踊るウヤら =平良西原

五穀豊穣願い「ヒヤサッサ」 平良西原のミャークヅツ クイチャーに笑顔

 平良西原のミャークヅツは「中日」の23日、ナナムイウヤらが集落を練り歩くパレードが行われた。ネクタイ姿で白いハチマキを締めたウヤらが行列になり、「五穀豊穣」の旗頭などを持って練り歩いた。地域の大通りでは「ヒヤサッサ」と声を合わせながらクイチャーを踊り、五穀豊穣と子孫繁栄を祈願した。西原集落の最大行事とあって沿道には多くの子どもら住民や観光客が詰めかけ、ミャークヅツを楽しむ姿が見られた。西辺中学校の全校生徒も見学し、先輩たちが受け継ぐ伝統行事を体感した。

パレードでは「五穀豊穣」の旗を囲み踊った


 「中日」は午前中に新生児の健やかな成長を願う「マスムイ」が行われた。パレードは午後3時に仲間(ナイカニ)御嶽を出発し、「ジャー(座)」と呼ばれる広場までをウヤらが「西原のクイチャー」や「ミャークヅツあやぐ」に合わせて力強く、手を高々上げて勇ましく踊った。
 パレードには黒のスーツ姿に白のタオルを鉢巻きにした「マスムイ」と呼ばれる男性たち、白のワイシャツにネクタイ姿のウヤらが参加した。
 ウヤらは午後2時半ごろに仲間御嶽に集まり、それぞれが担う役割の準備に取り掛かった。午後3時になると終点の広場でツカサンマが祈願に使う酒などを持ったウヤ、「五穀豊穣」の旗を担うウヤ、それに続き踊るウヤらが出発した。
 同御嶽から旧西原公民館に向かうと大通りの沿道には大勢の住民らが待ち受けた。その中を西原自治会の仲間忠会長らが先頭で歩き、そのあとを「五穀豊穣」の旗を担うウヤらが続いた。住民らは男性中心のパレードに大きな拍手を送り、三線と太鼓の演奏のクイチャーにも大きな拍手を寄せた。
 男性らの集団は集落の目抜き通りを練り歩き、終点の広場近くではツカサンマが手招きで誘導し、これにウヤらが応えて広場に入った。ここでも盛大にクイチャーを踊り、周囲を住民らが取り囲んだ。
 東京から参加した兼元秀幸さん(55)は、18歳で島を離れたがミャークヅツには可能な限り参加しているという。「先輩からしきたりを教わりながら参加している。(ウヤ同士の)つながりもできるのでとても良い」と話した。
 広場ではツカサンマらが祈願し、仲間会長らがあいさつした。このあとマスムイウヤから、この1年で西原字内、宮古郡内、沖縄本島、本土などで誕生した子どもは26人との報告があった。新入生らによる奉納相撲では住民らの声援を受け、力強い戦いで会場が沸いた。最後にはクイチャーを踊り、万歳三唱で締めくくった。

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