空家等管理活用支援法人指定を発表した嘉数市長(右)、安里理事長 =市役所

空き家の有効活用促進 県内初、支援法人指定 「リノベーション沖縄」に期待

 宮古島市(嘉数登市長)は6日、空家等管理活用支援法人に(一社)リノベーション沖縄(那覇市、安里享英理事長)を指定したと発表した。県内での指定は初。市では空家が増加し、2024年度調査では813件が確認されており有効活用が課題となっている。市と同法人は連携して空家対策に乗り出すことになり、支援法人は所有者や活用希望者の相談、情報提供、必要な援助などでマッチングを行う。嘉数市長は「支援法人の指定は空家を有効活用することで住宅不足問題や地域に新たな価値を生み出す取り組みを後押しする。民間と連携を深めながら空家利活用を推進していきたい」と述べた。
 空家等管理活用支援法人指定の発表は嘉数市長、リノベーション沖縄の安里理事長が行った。
 嘉数市長は「空家の増加は老朽化や防災上の懸念だけでなく地域の活力低下につながる恐れがある。しかし見方を変えれば新たな地域資源でもある。空家を家賃高騰により住宅不足で困っている世代への提供、地域のニーズに応じた用途へと展開する支援などさまざまな活用が考えられる。支援法人には実務経験や専門的な知見を発揮していただきたい」と述べた。
 安里理事長は「813件の物件があるので見方によっては、それだけ伸び代があるということであり可能性がある。地域によって表情が違うのでカフェ、民泊、レストランなどをいろんな形にリノベーションしていきたい」と意欲を見せた。
 活用方法は自己運営、売却、借地があることを示し「25年度内に1件を形にし、次年度以降は計画を立てて進めていきたい」との考えを示した。
 同法人が指定を受けたのは7月4日。すでに市内に事務所を設けており、相談ができる体制はできているという。
 市の空家対策は、防災上・衛生面・治安面など問題がある放置された空家を改修し、新たな価値を創出するとしている。
 活用方法の自己運営は、オーナー自身が改修・運営を行うことにより継続的な家賃収入、資産価値の維持・向上が図られる。売却は事業者に土地・建物を売却することで現金化でき、管理から解放されるほか相続税対策に有効。借地は土地を貸し事業者が運営する。土地所有権を維持し、継続的な地代収入が入る。
 国や自治体の補助金があり、期待される効果は▽家賃高騰の抑制(低家賃住宅の供給により市民の居住負担を軽減する)▽雇用創出(空家改修工事が地元建設業者に仕事をもたらす)▽定住促進(若年層や子育て世代の移住・定住を促進する)―などを挙げる。

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