
宮古島署でインターンシップ 高校生が警察業務を体験 鑑識・術科など触れる
宮古島警察署(新垣健一郎署長)は5日、高校生7人を対象に警察業務のインターンシップを実施した。島内出身の警察官らによる講話をはじめ、術科および鑑識体験や特殊詐欺防止の啓発活動などを通して、参加した生徒らは現場の実務に触れながら職業理解を深めた。地域の治安を守る仕事の多様性や公共性に触れる貴重な機会となり、生徒からは警察官を将来の進路として意識する声も聞かれた。

冒頭、宮古島出身の警察官4人があいさつを行い、中学生時代に溺れている人を見かけた際のエピソードを紹介し「その時は大人を呼びに行くことしかできなかったが、大人も自分と同じように戸惑っていた。誰かが110番通報をし、駆け付けた警察官が混乱する大人たちと違い、テキパキと対応する姿を見て、自分も『何かあった時に何かできる人になりたい』と思い、警察官を目指した」と語った。
警務課の山城豪警部補が警察の業務内容や組織の仕組みを説明。「地域警察、交通警察、刑事警察、生活安全警察など、警察には多様な業務がある。硬いイメージがあるかもしれないが、仕事だけでなくプライベートも充実させて、楽しく明るく勤務している」と警察官の働き方を紹介した。
術科体験では指導員の識名剛さんが制圧方法や相手からの攻撃に対応する術科訓練を指導。高校生たちは受け身の取り方や練習用警棒、盾の使い方などを実践形式で学んだ。
さらに鑑識体験では、鑑識係から指紋の採取方法についての説明を受けた後、参加者が空き缶に粉末を付けて自分の指紋を採取する実習を行った。
午後の部では、場所を市社会福祉協議会城辺支所に移し、特殊詐欺などの防犯講話を受け、下地与那覇の前浜ビーチでは海浜利用者へ水難事故防止のビラ配りも行った。またパトカーや白バイの乗車体験、装備資機材の説明や質疑応答もあり、充実した内容となった。
参加した高校生は「実際の警察業務を体験できて貴重な経験になった」「警察官を将来の選択肢として真剣に考えたい」と感想を述べ、警察業務への理解を深めていた。