来年度の本格的な公開へ向け検討委が開かれた =2日、市役所・会議室

使いやすい博物館目指す デジタルミュージアム 来年度公開へ再構築議論

 市総合博物館の「デジタル・ミュージアム」構築に向けた検討委員会が2日、市役所で開かれた。2026年度の本格的な公開へ向けて、専門家や教育関係者らが活発に意見を交わした。
 検討委には天久珠江生涯学習部長が委員長を務めるほか、委員には図書館、市教育委員会学校教育課の課長らが名を連ね、同博物館の平良安史館長と学芸員の湯屋秀捷氏と共に協議した。
 現在公開されている博物館のデータベースは、約1万4千点の収蔵品が検索可能だが、利用者には使いづらい面があった。湯屋氏によると現在、分類はされているが検索ベースで、いわば資料を倉庫に詰めた状態。これをどう見せることで利用しやすいページになるかが課題だという。
 これまで公開済みの収蔵品データベースを活用しながら学芸員らで協議を重ねたが、今回は生涯学習、図書館、学校教育の観点から、より一般市民や観光客、学校教育で使いやすい形への再構築を図った。
 外部委員の内田剛史氏は年間200以上、全国の博物館を巡り、デジタルミュージアムへの構築化に携わる実績から助言を提供。文化庁の専門人材派遣事業の活用や、クラウドによる地道なデータ整理作業の重要性にも触れた。
 学校教育との連携では「学習指導要領コードを活用すれば教材との結び付けも容易となり、個々の教諭への配慮が図れる」との助言もあり、デジタル活用による教育支援にも期待がかかる。
 検討委では、トップページに▽サーチ(検索)▽解説▽コラム―などの導線を設け、利用者が直感的に資料へアクセスできる構成を決定した。
 今後は一括交付金による初期構築を経て、一般財源からの持続的運営を目指し「地域資源の継承と利活用の場として、誰もがアクセスしやすい博物館」を構築する考えだ。

関連記事一覧