
(左から)波平篤樹会長、竹井会長、嘉数市長、真樹氏、古謝会長
=11日、市役所・市長応接室
住民参加型の健康づくりを 提言「未来の医療福祉」 宮古三師会 市長、健康関心呼び掛け
宮古地区の医師会、歯科医師会、薬剤師会の三師会は11日、市役所に嘉数登市長を訪ね、医療・福祉の将来像を共有し、予防重視の健康づくりと住民参加型の連携体制構築に向けた提案を行った。三師会側は「今ある施策を生活現場で確実に実践する必要がある」と強調。住民一人ひとりが自らの健康に関心を持ち、予防医療への理解を深めることが不可欠だと訴えた。
三師会は、急速に進む高齢化と子ども人口の減少により、将来的な医療・福祉基盤の維持が困難になるとの共通認識のもと、認知症などの予防可能な疾患への早期対応や、生活習慣病・若年層の健康意識の低さなど複雑な課題に対し、実践的な施策の確実な定着が必要だと訴えた。
また、予防医療の正しい理解促進や、子ども・障がい者支援、多職種連携による地域全体の健康づくりを提案した。
医師会の竹井太会長は「障がい者の視点を最初から計画に組み込むべき」と述べ、障がい者と行政との意見交換の機会拡充など現状を把握するための提案をした。
歯科医師会の波平篤樹会長は「歯周病対策は全身疾患の予防にも重要」とし強調し、口腔ケアの普及を求めた。
薬剤師会の古謝真己会長は「複数の病院や薬局から薬を受け取ることで、必要以上の薬を服用している例が多い。できるだけ1カ所の薬局を利用するよう市が案内してほしい」と指摘した。
嘉数市長は「市では特定健診の受診率が低いため、まずは市民が健康に関心を持つことが重要であり、市広報での特集も検討している。将来の担い手育成には早期教育が必要であり、健康の本質を見つめ直す時代に向けて協力して取り組んでいきたい」との前向きな考えを示した。
なお、歯科医師会では7月から会長職が波平会長の弟・真樹氏に交代予定ということもあり、今回はきょうだいもそろった表敬となった。