
「ゴーヘイ」櫂さばき競う 航海安全と豊漁願う 海神祭 若者ら参加し楽しむ
旧暦5月4日の「ユッカヌヒー」にあたる30日、各地で「海神祭(ハーリー)」が行われ、向こう1年間の航海安全と豊漁を願った。久松、池間、伊良部佐良浜の各漁港では漁師ら住民が爬龍船(はりゅうせん)レースで盛り上がり、子どもたちも楽しんだ。伊良部漁業協同組合の式典、パレードと島尻のハーリーは天候を考慮して中止となった。

佐良浜の海神祭は前里添自治会、池間添自治会で行われた。両添自治会では役員を中心に準備し、午前7時半ごろには多くの住民らが集まり御願(ニガイ)したあと祝いの酒を汲み交わした。
前里添自治会は午前8時半ごろに開会式があり、開会宣言した浜川吉典さんが多くの参加を歓迎し、「(爬龍船レースでは)精一杯頑張っていこう」と呼び掛けた。
爬龍船レースは、例年だと1分会から5分会までの5チームが参加するが、今年の分会は1チーム、残り2チームは参加者で組んだ。
午前9時過ぎに始まったレースは3チームで行われ、3回の各レースとも参加者を入れ替えた。各チームのサバニに乗った参加者らは「ゴーヘイ」との掛け声で力強く。息の合った櫂さばき見せた。岸壁では参加者らの家族、友人らが声援を送るなど歓声が響いた。
池間添自治会の爬龍船レースは2チームのサバニで行われた。佐良浜漁港内のコースで競った2チームは終盤まで競い合いを見せ、参加者らが必死に櫂を漕ぐ姿が見られた。
伊良部漁協の川満友博組合長は「式典とパレードが中止になったのは残念。来賓の方々には式典は無かったが来てくれて良かった。(各漁船では)それぞれが航海安全と大漁を願って祝った。来年は式典、パレードができることを願っている」と話した。
両自治会の本部席などを回った嘉数登市長は「(漁師の)従事者が減って大変だと聞いているが、来てみると若い人も含めてたくさんの人で盛り上がっている。今後も地域の行事を盛り上げてほしい。行政としても最大限支援していきたい」と語った。