議案審議2件、不適合 ホテルは調整余地あり 市景観審議会 景観計画の意識・意向調査へ
宮古島市景観審議会(池田孝之会長)の2024年度第2回審議会が22日、市役所2階大ホールで行われた。議案審議の「リーベルホテル宮古」(仮称)は海岸の傾斜に対する高さ、配置などで調整の余地があるとして不適合とした。高さの変更があることから委員の意見などを伝え、再度の届出で審議していく方向を確認した。「TGH共同住宅建築設計」は周囲の景観に配慮が見られないなどとの意見があり不適合となった。事務局から開発(高さ制限)と景観保全のバランス、宮古島らしさなどを把握するための「市景観計画に関する意識・意向調査」を12月に行うことの説明もあった。
この日は午前中に現場視察があり、審議会では嘉数登副市長があいさつした。都市計画課の担当職員がリーベルホテル宮古、宮古島砂山リゾート開発計画4エリアBブロックなど議案の説明を行ったあと池田委員長ら委員が審議した。
リーベルホテル宮古島は、城辺保良のゴルフ場「オーシャンリンクス宮古島」の敷地に高さ32㍍のホテル棟(7階)、高さ24・25㍍の共用部棟を建設する届出で審議が行われた。
届出の会社関係者らは、保良や吉野、新城の住民からの建設要望があることを強調した。アドバイザーからの意見を受けてホテルの高さを28・5㍍に下げるとの説明があったが、この日の審議は届出のあった32㍍の計画で行われた。
委員からは「吉野海岸からはホテルが稜線から突出して見えるので工夫の余地がある。北海岸にはホテル建設がないので、今後のモデルとしても景観に配慮し観光客からいいホテルと言われるようにしてほしい」との意見があった。
また「ホテル棟と共用部棟の配置を交換し、ホテルの位置を海岸から離すことも考えてほしい」との意見も出た。
東平安名崎(マムヤの墓横東屋)からも稜線から突出して見えることも指摘。配布された資料では「吉野海岸を眺望点として指定はしていないが、自然景観との調和という観点からは望ましくない」も付け加えられていた。
市議会が、2024年3月に市景観条例および計画について景観形成基準の中の「高さ制限」を撤廃もしくは大幅緩和をした計画変更等を求める決議を行っている。
この中では宮古島らしさを担保しながら計画変更を行い、継続的な投資意欲の醸成と宿泊施設を筆頭として市への投資により市民の所得向上と宮古島のブランド力アップすることを決議。これには提案議員に対して反対議員も意見を述べている。
これを踏まえて市景観計画に関する意識・意向調査は行われる。調査は▽市民(18歳以上)▽事業者(観光関連事業者)▽観光客▽高校生(市内の高校に在学中)―で実施。各項目のテーマは市民が景観への愛着や満足度、事業者が開発・事業の方向性、観光客が景観への満足度や未来への景観についての意見、高校生には景観への愛着や景観保全への取り組み、情報提供などを聞く。