「冠水場所、抜本的対策を」 大雨被害で市に要請 与党市議団、保守未来会など
市議会の与党市議団(長崎富夫会長)と保守宮古未来会(山里雅彦代表)、公明(狩俣政作代表)、市民創会(狩俣勝成代表)は24日、宮古島市(座喜味一幸市長)に豪雨および大雨被害に関する要請を行った。冠水による施設園芸ハウスや道路、民家の被害状況を説明し、事前対策や排水などの対応を求めた。対応した嘉数登副市長は当時の状況を説明し、今後の取り組みについて真摯(しんし)に向き合う方針を示した。
21~23日までの72時間降水量は観測史上最多の524㍉を記録。この集中豪雨で道路や施設園芸のハウスなどが冠水して多くの被害が出た。要請に対し、座喜味市長に代わり嘉数副市長が対応した。
長崎会長は「集中豪雨で多くの道路が冠水し、車両が立ち往生するなど交通に大きな支障が出た。さらに崖の崩落や土砂災害のほかマンゴー、サトウキビ、葉たばこなどの基幹的農作物でも大きな被害が発生した」と当時の状況を述べた。
その上で▽被害状況を早急に把握し、速やかに必要な対策を講じること▽マンゴーやサトウキビ、葉たばこなど農作物被害に即した支援策を講じること▽大災害を想定した被害軽減および避難訓練等の拡充を図ること―を要請した。
また、要請前にマンゴーハウスを調査した際の状況を踏まえ、「(大雨で)毎年のように被害に遭っているので根本的にしっかりやらないと大変。収穫前の一番大事なときの被害で農家の負担が大きい。構造的に上から地下水が流れており、この辺も含めて対応してほしい」と続けて要望した。
嘉数副市長は「抜本的にどう対策が取れるかどうか。しっかり対応していきたい」とし、各地の道路の冠水については「被害状況の情報収集と事故防止の通行止めなど応急的な対応を行っている」と説明した。
その上で今後の対応については「きょうの要望も踏まえ、市民が安心して生活ができるよう対応していきたい」と述べた。
公明の狩俣代表は「豪雨により市内各所で道路の冠水や畑への浸水が多数起こり、物損被害も出た」などと強調。同市議らは各地の被害場所を回り、農家らから聞いた状況や写真も見せながら嘉数副市長に訴えた。
そのうち、大野山林は雨水を集約して海に流す排水口が狭く、全体的にたまった状態となり、逆流した形で(福山などの)マンゴーハウスに流れたこと、平良中学校前では冠水により民家の床下および床上浸水があったこと、大雨のたびに冠水している「ばっしらいん」前の道路も排水が追い付かなかったと説明した。
嘉数副市長は警報発令から建設部、農林水産部で対策にあたったことなど同様に説明し、「冠水はさまざまな要因があるので市道だけでなく(伊良部大橋手前の冠水など)県道は県と連携しながら対応し、雨水能力の点検もしっかり行っていきたい」と真摯に向き合った上で、マンゴーなど施設野菜やサトウキビについては事前策として共済金の活用を呼びかけ、「市の補助金を上げて自己負担が少なくなっているので活用していただきたい」と述べた。