• HOME
  • 記事
  • 社会・一般
  • 大雨予測が精密化 線状降水帯対策強化 気象庁 沖縄は4地方細分化し情報提供 28日午前9時から実施 本島・宮古島・八重山・大東島
線状降水帯の予測精度向上に向けた取り組み(観測・予測の強化) =気象庁資料

大雨予測が精密化 線状降水帯対策強化 気象庁 沖縄は4地方細分化し情報提供 28日午前9時から実施 本島・宮古島・八重山・大東島

 気象庁は線状降水帯による大雨の可能性を18~6時間前に伝える「半日前予測」を、28日午前9時よりこれまでの地方単位から府県単位に絞り込んで行うと発表した。島が点在し範囲が広い沖縄県は沖縄本島、宮古島、八重山、大東島の4地方に分けて伝える。同庁はより早期な情報提供を通じて、大雨に対する一層の心構えと、各地方気象台からの防災気象情報などの留意を促すことで住民の安全確保に努める。

線状降水帯の予測精度向上に向けた取り組み(情報の改善)=気象庁資料


 この新たな運用は、スーパーコンピュータ「富岳」による予測技術の開発や次世代気象庁スーパーコンピュータを用いた予報時間の延長と高解像度の局地モデル(LFM)計算結果、メソアンサンブル予報(MEPS)を活用することにより、より精密な予測が可能となり、住民への早期警告につながる。
 2022年6月から始まったこの呼びかけは、これまで全国11ブロックに分けた地域を対象とし、23年5月からは、「顕著な大雨に関する気象情報」の発表も最大30分前倒しして行っていた。
 今回の改善でより細かい府県単位での警告が可能となる。
 特に「富岳」の活用は、予測技術の大幅な向上をもたらし、線状降水帯の発生可能性をより早く、かつ精密に予測することを可能にした。これにより、地方気象台や市町村の防災担当者は、より迅速に避難所の準備や住民への情報提供を行うことができるようになり、大雨による災害リスクの軽減に貢献している。
 同庁は、夜間を含む線状降水帯による大雨の可能性が予想される場合に、明るいうちからの避難を促すため、観測、予測技術の向上および情報の改善に努めている。
 また、同庁は本年2月に実施したアンケート調査を基に、住民と市町村に対する周知および啓発活動を強化し、呼びかけの適切な活用を促進する方針だ。
 この背景には、線状降水帯による大雨がもたらす災害への危機感の高まりがある。アンケート調査によると、呼びかけの認知度はまだ半数程度にとどまっているが、大雨災害への危機感の高まりや市町村における防災体制の構築に効果があったと評価されている。
 これらの結果を踏まえ、引き続き情報の提供と啓発活動に力を入れることで、大雨による被害を最小限に抑えることを目指している。

関連記事一覧