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411頭が上場した4月期セリ市 =JAおきなわ宮古家畜市場

子牛平均50万円割る 前月比3万円下げ49万円 JAセリ4月期 農家厳しい年度スタート

 JAおきなわ宮古地区本部の2024年「4月期肉用牛セリ市」が19日、平良山中のJA宮古家畜市場で行われた。子牛(月齢12カ月以内)1頭の平均価格は49万4293円となり、前月比3万1701円安。最高価格は牝の110万6600円。平均キロ単価は1748円で前月比177円安となった。子牛平均価格は3カ月ぶりに50万円台を割り、農家にとっては厳しい年度スタート。関係者は「県内の他市場は先月並みだったが、宮古は落ち込んだ。購買者は母牛の系統を見て買うので改良の差が出たのではないか。今後宮古地区全体でスピーディーに改良を進めていかないといけない」と話した。
 4月期肉用牛セリ市が行われたJA宮古家畜市場では農家が育てた子牛などを上場し、1頭ずつセリにかけられて購買者が買い取る状況を見守った。
 子牛は366頭、成牛は45頭の計411頭が上場された。取引販売額は子牛364頭が1億7992万2600円で成立率は99・45%。成牛は43頭の成立で853万1600円。
 子牛の1頭平均価格は去勢が55万9348円、牝が39万3754円となった。前月に比べて去勢が1万3321円、牝が5万4934円それぞれ安くなり、牝の落ち込みが大きかった。去勢の最高価格は97万6800円。平均キロ単価は去勢が1911円、牝が1473円だった。
 子牛の1頭平均価格は2023年12月期が49万4040円で、1月期は51万3325円と50万円台になった。2月期は下がったものの50万238円、3月期は再び上がり52万5994円。3カ月連続で50万円台を維持していたが、4月期は50万円を割り込んで49万4293円。
 宮古和牛改良組合の荷川取広明組合長は「県内の他市場は前月並みだったが、宮古は下げ幅が大きかった。(1月~3月の50万円台で)明るい兆しが見えていたので期待していたが、上がるにはまだまだという感じを受けた」と話した。
 また「購買者は母牛の系統を見て買うので改良の差が出たのではないか。体重も見るが、それほどバラツキは無かったので系統で価格の差が開いた。宮古は他地区に比べて改良が遅れており、今後スピーディーで進めないといけない」との考えを示した。
 全国的に牛肉の需要が回復せず在庫の動きが鈍い状況に対して、国は予算を付けて需要拡大を図っている。枝肉流通が鈍り在庫を減らそうという予算措置だが、まだその効果が見えていない状況だという。荷川取組合長は「効果が見えれば子牛の価格は上がるが、まだ見えていない」と話した。

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