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見つかったサキシマハブ(提供)

宮古でサキシマハブ見つかる 平良港第一ふ頭で 県、抗毒素配布など迅速に対応 作業員がコンテナ下から

 宮古島に本来生息していないはずのハブが4日、平良港第一ふ頭近で見つかっていたことが分かった。先月平良港ふ頭内で作業員がコンテナ下のアスファルト上で死体を発見した。県はこの問題に抗毒素の手配など迅速に対応するとしている。発見された個体の詳細や今後の調査結果については、県衛生環境研究所および宮古保健所が情報提供を行う予定。宮古島でサキシマハブが見つかったのは2013年4月以来2例目となる。

サキシマハブの捕獲場所


 県保健医療部によると発見されたのは3月30日で、平良港第一ふ頭でコンテナ棚卸し作業中の作業員がコンテナ下のアスファルトからサキシマハブの死体を発見したとのこと。
 県業務生活衛生課の測定結果によると、このサキシマハブは全長44㌢、体重12・7㌘の生まれてから1・5年の若いメスとのことで、また胃の内容物は腐敗が進行していたため具体的な内容は確認できなかったという。
 これを受け、県業務生活衛生課は2日付で宮古病院へ臨時的にハブ抗毒素3本を手配し、宮古保健所は9日に関係機関の連絡会議を開き各所との連絡体制などの確認をする。
 県衛生環境研究所は10日から捕獲器を設置して定住の恐れがないか生息確認調査を実施する予定。約4カ月ほどの調査期間とのこと。
 同保健所の担当班によると断定はできないとした上で「前回のハブが繁殖したのであればこの10年間に個体が見つかるはずなので可能性は薄く、前回同様に本島経由での荷に紛れた可能性も少なくない。また、死体からは骨折の形跡があったことから外側からの強い圧力がかかっており、荷移動の際にひかれた可能性を見立てている」とのこと。
 サキシマハブは主に八重山諸島で生息するが沖縄本島でも生息しており、平地から山地にかけて主に地表で活動するが樹上に登ることもある。体色は褐色から灰褐色で暗褐色の鎖状の斑紋が入るが、個体変異も大きく斑紋が不明瞭な個体もいる。毒性はハブよりも弱いとされ動きも緩慢だが、噛まれた場合には痛みが強く相当腫れるなど重症に陥ることもある。成長すると全長60~120㌢、頭胴長は50~100㌢。繁殖期(6月~7月)には4~10個の卵を産む。
 13年に発見された時もふ頭近くの「ひらりん公園」で当時19歳の男性が食事中に遭遇し、素手で捕獲。その後、同保健所から同研究所へ個体確認をしたことで発覚した。
 現段階でもし発見した場合には捕獲しようとせず、宮古保健所(72・2420)へ通報をしてほしいと呼び掛けている。

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