長崎さんらが提案した作品のイメージ図全景(県提供)

県設計競技、長崎設計研究所が金賞

テーブルサンゴをイメージ(県提供)
大屋根下の空間(県提供)

 県内の若手建築士育成と技術向上、発展を図る第9回沖縄県アンダー40設計競技ティーダフラッグス2020(主催・沖縄県)の最終審査結果がこのほど発表され、一級建築士事務所・長崎設計研究所=平良東仲宗根=の長崎大作代表、松田裕介さんが提案した「モトブ・コーラル・ルーフ」が最高賞の金賞を獲得した。

 この競技は40歳以下の建築士を対象に11年度からはじまったもので、毎年各地の施設を対象に行われている。今回競技の対象になったのは、本部港ターミナルエリア。長崎さんはテーブルサンゴをイメージし、太い一本の支柱の上に曲線を描いた大きな屋根をもつ大小3基の構造物をデザインした。
 提案では、テーブルサンゴをモチーフした理由を「日差しや雨から人々を柔らかく覆い守りつつ、太陽光を適度に透過させることにより、季節の移ろいや一日の太陽の高度の変化により表情を変える魅力的な空間を行き交う人々に感じてもらえる大屋根空間を考えた」としている。外周に柱がないためフォークリフトで容易にコンテナを運搬することが可能となり、利用者も屋根の下を自由に歩き回れるという。
 また、屋根のトップライトを海と空をイメージした青い塗装とし、子ども達を募った「色塗りワークショップ」や、海の色観察会、ビーチクリーンアップを通して地元の人々が建設過程に携わることで、「建物の整備やデザインを理解し、末永く大切に使ってもらえるようになる」と提案した。
 対象の同ターミナルは本部港と伊江島を結ぶ航路の玄関口として地元住民や修学旅行などで多くの利用者に親しまれており、安全で快適に使用できる屋根付き利便施設の整備が求められている。今回は43件の応募から一次審査で7件に絞られ、12月25日に県立博物館・美術館で最終審査会が行われ、5日に金賞、銀賞各1件、銅賞2件の入賞作品が発表された。

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