市、施工業者が安全祈願 し尿処理施設 衛生的な環境整備向け着工
宮古島市し尿等処理施設整備工事の合同安全祈願祭が16日、平良荷川取の浄化センター隣接地の建設現場で執り行われた。施工業者や市など関係者が参加し、くわ入れなどを行ったあと玉串を奉納して安全を祈願した。新たに整備される施設の処理量はし尿、浄化槽で1日当たり計70㌔㍑が可能となる。市民生活の安定、向上と観光客の増加に対応するとともに現施設の負担軽減も図ることができる。供用開始は来年4月を予定。
市のし尿・浄化槽汚泥は、「し尿等下水道投入施設」で受け入れし、希釈投入する形で下水処理と一体的な処理が行われてきた。その中で観光客の増加や陸上自衛隊宮古島駐屯地等の整備に伴い、し尿・浄化槽汚泥が急増加しており、既存受入施設の能力不足が懸念され、安定処理に新たな施設整備が急務となっている。
この状況に対応するために、新たに整備するし尿等処理施設は鉄筋コンクリート造りの地下1階、地上2階。主な設備はトラックスケール、沈砂槽、破砕ポンプ、脱水機、分離液槽、希釈水槽などで最大の希釈倍率は25倍となっている。
設計・監理はNJSが5千60万円、し尿等処理施設整備工事は先嶋建設が10億3791万円、同工事プラント機械は共和化工が10億4324万円、同工事プラント電気は久貝電設土木が5億119万円で受注した。
神事は神主の奥間寛次さんによって執り行われ、発注者の座喜味一幸市長、施工業者の先嶋建設の黒島正夫会長、NJSの石井信次執行役員がくわ入れを行った。
直会で座喜味市長が「市は観光客や事業所の増加などで大きな発展をしており、市民の衛生的な環境を整備することは行政の課題である。向こう10年、20年先を見据えたし尿等処理施設整備工事である。受注いただいた事業所の技術力で安全で無災害の施工をお願したい」とあいさつした。
施工業者を代表してあいさつした黒島会長は「この場所は(周辺に)港湾や荷川取漁港などがあり、注目されるところで工事ができることは誇り。施工設計の全業者が融和を図り、無事故無災害で工事を納めたい」と述べた。
このあと市議会の平良敏夫議長が乾杯の音頭を取り、「観光客の増加やホテルなど宿泊施設の増加への対応が喫緊の課題となっている。この状況を打開するためのし尿等処理施設整備工事である。整備が進んで充実することにより市の衛生環境が良くなる。無事故無災害で施設が完成できることを祈願している」と述べた。
し尿等処理施設建設は当初、伊良部佐和田で計画していたが、座喜味市長が就任後に平良荷川取に変更した。