現行修正、地域防災計画提示 災害予防、応急対策など強化
2023年度第1回市防災会議(会長=座喜味一幸市長)が7日、市役所2階ホールで行われた。事務局から現行計画は20年3月に決定したものであり、それ以降の国の防災基本計画などの修正内容を反映させる必要があるとして関係法・関連計画との整合性、避難勧告・避難指示の一本化など課題に対応した地域防災計画案が提示された。改定方針は▽各種災害予防・応急対策の推進▽要配慮者等の避難体制の強化―など5つが示された。計画案は各機関からの意見集約を行い、来年2月に予定している防災会議で最終決定される。
同会議には市、宮古島消防署、県宮古事務所、宮古島警察署、自衛隊、海上保安部、地区医師会、宮古島地方気象台、沖縄電力、市社会福祉協議会、婦人連合会など関係機関が参加した。
座喜味市長は関係機関の委員に対し「宮古島の安心安全な島づくりに力を頂き感謝している」と述べた上で「(現行計画の)策定後、全国で発生した水害など災害への法整備がされており、市も災害対策の充実強化のために地域防災計画の見直しを行うことになった。委員の皆さんにはそれぞれの立場から意見を伺いたい」とあいさつした。
現行計画の課題は関係法・関連計画との整合、避難勧告・避難指示の一本化、現在の組織体制を踏まえた災害対策体制の構築、増加する来島者への対応を踏まえた防災体制づくりが示された。
関係法・関連計画との整合は現行計画の決定以降の災害対策基本法等の一部改正、国の防災基本計画、ガイドラインの改正内容、県地域防災計画の修正内容を反映させる必要があるとした。
組織体制を踏まえた災害対策体制の構築は庁舎移転による庁内の防災体制の見直し、機構改革により災害時における各課の役割の修正や社会情勢を踏まえた防災力の強化を図る必要があると説明した。
増える来島者への対応は「クルーズ船の寄港、国際線の就航があり、外国人を含む観光客の増加が見込まれる。そのため災害発生時の観光客対応もより必要になっている。観光関連施設が増えたことにより、市街地の夜間人口増加、海岸や島しょ部の昼間人口の増加が予想される。特に海岸部に立地する宿泊施設は夜間人口が大きくなり防災上も課題になる」と強調した。
課題を踏まえた改定方針では地域特性・災害特性の反映、まちづくりの進展に合わせた計画の修正や災害対策本部体制、各対策班の活動内容の見直しを行う。市民には災害の状況を正しく予測し、行動できるよう平常時から啓発、教育、訓練を行うことを基本とし自主防災組織、事業所等の防災対応能力を強化するとした。