竹アラ地区農地引渡し実現せず 畑面と農道の段差問題視
下地洲鎌の竹アラ地区ほ場整備工事は、度重なる設計変更のために工期が大幅に遅れている。市当局は市議会6月定例会で、一部の農地を8月中に引き渡すと答弁していたが、換地委員会に否決され実現できなかった。畑面の工事は終了している部分もあるが、農道との段差などを問題視された。市は1工区については今年度中に農道を含めた工事を終了させる予定だが、並行して暫定的な措置を進め、段階的な引き渡しを急ぎたい考え。
同地区は2021年度に着工。水はけの悪い粘土層が非常に多く、搬出やほかの工事地区からの赤土搬入に予算や調整の時間がかかり、工期が大幅に遅れている。また、排水施設など追加された工事も多い。1工区4・6㌶の中でも、表土が足りずに整備が完了していない場所もある。工事は全体で9・3㌶が対象。
この問題は市議会でもたびたび取り上げられている。ことしの6月定例会で市農林水産部の石川博幸部長は「1工区のうち3・5㌶については、キビの夏植えを希望する農家に対して、畑面処理までを終えたあと、一次利用指定を行い8月中に引き渡すことを予定している」と答弁。
答弁通り畑面の工事は終了しているが、農道は未整備のままで、ほ場と農道の間に大きな段差が残ったままとなっている。地権者の代表で構成される換地委員会は、この点を問題視してほ場の受け渡しを否決。結果として議会答弁の内容は実現しなかった。
同地区ではスプリンクラーなどの灌がい施設工事も予定されているため、農道の舗装はその終了後になる見込み。市は1工区については舗装以外の工事を23年度中に完成させる計画だが、1日も早く耕作できるようにするため、並行して暫定的な措置も進める。
未整備の農道に路盤材を敷くことでほ場との段差を先に解消し、いったん耕作可能な状態にした上で、排水路設置など本来の工事を進めていく計画。換地委員会の理解が得られれば、耕作を希望する農家への引き渡しを進めたい考え。工事完了から時間が経ち雑草が生えてしまっているほ場については、引き渡し前に草を抜いて再度耕すという。
石川部長は「皆さんに多大な迷惑をかけており、1日も早く作付けができるよう取り組む」と述べた。