紅はるか収穫を実演する青果用甘藷収穫機 =城辺保良、下地章さんほ場

契約「紅はるか」初収穫 サクラファーム、現在28人5㌶植付け

 農産物卸売業のサクラファーム(本社・宮崎県)とサツマイモ「紅はるか」の契約栽培を行っている生産農家の初収穫が10日、城辺保良で行われた。座喜味一幸市長をはじめ行政関係者も招かれ、収穫機の実演や紅はるかの試食が行われ、新たな経済作物となることに期待を寄せた。同社では生産指導から卸売まで行っており、契約栽培には65人が登録し、このうち28人が約5㌶植え付けている。青果は県内・海外、加工品は県外へ出荷する。
 同社は昨年11月、上野新里に宮古島営業所を開設。同12月から植付けを開始した。10㌃当たり苗2500本を基準とし、収量は2・4~2・8㌧を想定している。宮古は本土に比べて寒さが少なく、年間2回作付けできるという。現在は城辺の保良、新城、吉野の生産農家が多く、17㌶で栽培の準備を進めている。収穫したイモは熟成することで甘みが増すため、本島の貯蔵庫に輸送する。今後は大手メーカーと協力して宮古で貯蔵庫のある集出荷場の整備を計画している。
 今回は下地章さんの約20㌃のほ場で収穫が行われた。イモの栽培は初めてという下地さんは「周りの協力のおかげで収穫までたどり着けたことに感謝したい。ほっとしているが、やる気も出てきた。イモは栽培する過程が楽しい」と感想を話した。
 座喜味市長は「宮古島市はサトウキビ、肉用牛、葉たばこも大事な産業だが、新しい産業としてイモがある。個人的な意見としては紫イモなども含めて30億円を超える規模の産業にしたい。いろんな付加価値のある商品を作り、農家所得が上がるよう市も頑張っていきたい」とあいさつ。
 青果用甘藷収穫機の実演では訪れた農業行政関係者や生産者、市議らが興味深そうに収穫に見入っていた。熟成した紅はるかの焼きイモと干しイモの試食が行われた。質疑応答では栽培や機械化、土づくりなどを質問していた。
 同営業所の久保田敦所長は「予想していた以上に外観の良いものができた。バガスなどを農家が使いやすいよう改善したい。土地さえしっかりと維持すれば病気は少なくなる。農家が何を作って生活するか、一つのカテゴリーとして選んでもらえれば」と話した。

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