宮古馬に餌をあげる市職員 =城辺長間の放牧場

宮古馬の見学可能に 来月から予約制で開放

 宮古島市教育委員会は9月1日から、城辺長間にある宮古馬放牧場を予約制で一般開放する。これまでは関係者以外立ち入り禁止だったが、市民や観光客が無料で見学できるようになる。2カ年計画で取り組んでいる利活用スタートアップ事業の一環で、安心安全に見学できるよう馬の調教などに取り組んできたという。所管する生涯学習振興課の職員らは18日、予行演習のために放牧場を見学。餌やり体験などを楽しんでいた。
 宮古馬は日本在来馬8種の一つで、沖縄県の天然記念物として文化財指定されている。現在は48頭が生息しており、城辺長間では雄6頭雌5頭の計11頭が飼養されている。民間では見学可能な施設もあるが、市が直接管理する馬はほとんど市民の目に触れない形で飼養されてきた。
 同課の梶原健次課長は「意図的に隠していたわけではないが、安全管理やスタッフの育成、設備面などの準備が足りなかった」と説明。「市民や観光客の皆さんが宮古馬と触れ合える環境をきちんと整備しようと、本腰を入れて取り組んだ」と述べた。
 2023年度から、一括交付金を活用した2カ年のスタートアップ事業を開始。馬の調教や駐車場・簡易トイレといった施設整備を実施。見学客を案内するための説明内容の検討や練習にも取り組んだ。
 この日の職員体験会は、一般開放に先立ち、これまでの成果を確認する目的で実施。同課職員の上原瑛菜さんは、生まれて初めて宮古馬を見たという。「テレビで見るような馬と違い思ったより背が低かった。毛並みがきれいで餌をむしゃむしゃ食べる姿がかわいい。私自身とても楽しめたし、皆さんにも喜んでもらえると思う」と話した。
 梶原課長は「ようやくオープンできる体制が整った。施設も最低限なもので、完璧にほど遠いことは重々承知している。ぜひ多くの人に足を運んでいただいて、改善に向けた建設的な助言をいただければ大変ありがたい」と意気込みを語った。将来的には乗馬体験も視野にいれており、専門家による調教や人材育成に取り組んでいるという。
 牧場の開業日や予約方法など、具体的な運営体制については、近日中に発表される見込み。

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