経済工務委に指定管理案を説明する嘉数副市長(奥) =市議会委員会室

副市長が議案再説明 加工施設指定管理 修繕費、事業者負担に

 宮古島市議会の経済工務委員会(西里芳明委員長)が27日開かれ、嘉数登副市長が、下地川満の農産物処理加工施設に指定管理者を指定する議案について、再説明を行った。5万円以上の修繕が市の負担となることが疑問視され16日の同委員会で否決されたことを受け、すべての修繕費を事業者負担とする協定を結んだことを説明し、委員らに理解を求めた。委員会での否決に変更はないが、30日の最終本会議での判断が注目される。
 同施設は1999年に旧下地町が設立した第3セクターが運営していたが、長年の業績不振で1億円以上の累積赤字に陥り、市の保有する全株式を民間事業者に無償譲渡。同事業者の子会社となった組織が2024年3月31日までの指定管理を受けていたが、22年3月に破産手続きをして業務を中止した。
 市はサツマイモ農家を支援するため施設の暫定操業を継続。本来の目的である生産物の高付加価値化や販路拡大、生産農家の所得向上を達成するため、新たな指定管理者を選定し、6月定例会に提案した。
 付託された経済工務委が16日に審議を行ったが、5万円以上の修繕費が市の負担となる指定管理の規定に反対意見が続出。委員らは、イモ農家のために施設を活用する必要性には理解を示したうえで、市が財政負担を負うリスクを疑問視した。市が責任を持つ指定管理ではなく、無償賃貸などで事業者に任せるべきとして、議案を否決した。
 市はこれを受け、修繕費はすべて事業者負担とする協定を締結。一度結論を出した議案について同じ会期中に再び審議することはできないが、改めて説明する機会として、市当局が委員会の開催を要望した。
 嘉数副市長は「16日の委員会では各委員の賛同が得られなかった。もちろん一事不再議は承知しているので、委員会に採決を求めるということではなく、本会議の議論の参考にしてもらいたい」と述べた。
 委員からはこれまでの経緯を踏まえ、新たな事業もうまくいかないのではといった懸念や、将来的にも市民負担が発生しない方法で活用すべきとの意見が出た。30日の最終本会議では西里委員長が否決と報告するが、市の再説明を受けてどのような議論、判断がなされるか注目される。

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