大城教育長に事業内容を報告する(左から)立野取締役、高里さん、大鹿さん =市役所

若者の社会的自立支援 市で「はなまる弁当」運営

 ひきこもりや若年ホームレス、児童養護施設出身者などを対象に、社会的自立を支援する事業を行っているスカイネット(本社札幌市)はこのほど、宮古島市で「はなまる弁当」の運営を開始。現在は15~17歳の子どもたちが料理や配達に携わっているという。同社の立野奨取締役や通信制高校に通いながら働いている高里堅信さんらは9日、市役所に大城裕子教育長を訪問し、事業内容を報告。子どもたちの社会参加促進などへの思いを語った。

はなまる弁当の商品とと袋にメッセージが書かれた割り箸


 同社は不登校やひきこもりのほか、生活が困窮しているため高校に進学できない子どもなど、社会的に弱い立場にある若者の社会的・経済的自立を支援。特別扱いするのではなく、一般社員と同様に活躍の場を与えることの必要性を訴えて活動している。
 立野取締役は「社会に出ていくきっかけ、学校に通うきっかけづくりがしたい。困窮世帯の子どもが学費を稼ぐためにも、一緒に働く場としてはなまる弁当を開始した」と説明。「家の中で独りぼっちになって困っている子どもはまだまだいると思う。北海道だけでなく、関東・東海など各地に現場があるので、宮古の子どもたちを全国に発信していければ」と話した。
 同社石垣・宮古島若者サポート事業部の大鹿貴子さんは「大勢の人がさまざまな仕事をしていることで私たちの社会は成り立っている。子どもたちには、『働いてくれてありがとう』という気持ちで弁当作りに取り組んで欲しいと伝えている」と述べた。割りばしの袋には「この後もお仕事頑張ってください」など、子どもたちが手書きのメッセージを寄せている。
 高里さんは「調理だけでなく売り込みにでかけるなど、さまざまな経験ができて社会性が身についていると思う。きっかけをもらったことにとても感謝している」と語った。
 大城教育長は「児童生徒にどのように社会とつながりを持たせるかということを大きな課題と捉えている。大変ありがたい取り組みで、行政としても後押ししていきたい」と話した。
 注文・問い合わせは「はなまる弁当」(070・8962・5479)まで。就職希望や引きこもりの児童生徒についての相談などは、立野取締役(090・6448・1944)が受け付けている。

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