島内全域で美化活動 ごみゼロ大作戦 市役所は全庁体制で
宮古島市(座喜味一幸市長)は30日、全庁体制で「島内ごみゼロ大作戦」に協力。市役所前で出発式を行い、職員らが市内各地で清掃活動に取り組んだ。同作戦は宮古の海をキレイにし隊(井上美香隊長)が企画し、市で初めて行われたもので、官公庁や学校だけでなく、多くの市民がボランティアで参加。市に登録があった市民だけで600人に上った。井上さんや市職員は、ポイ捨てや不法投棄に対する市民のモラル向上を訴えた。
出発式には市各課の職員や宮古島警察署員が出席。台風2号の影響を考慮し、29日に清掃を行った部署もあった。8年程前から海岸の清掃活動に取り組んでいる井上さんは「海のごみは海外からの漂着物がほとんどだが、島のゴミはポイ捨や不法投棄で島の人が捨てたもの」と指摘。
「宮古は海外の人もうらやむほどの美しい島。私たちの手で、私たちの住んでいる島をきれいにしたいという思いで企画した。来年度以降も定例的に開催し、皆の力で『美ぎ島』にしていきたい」と訴えた。
座喜味市長は「井上さんはじめ、美しい宮古を守るという市民の熱い思いが広がっている。行政もしっかりと受け止めて、美しい島を子々孫々まで受け継いでいきたい。私たちが日々、小さなごみを拾うことから始まると思う」と述べた。
職員らは市役所やJTAドーム周辺など、市内各地で清掃活動を実施。うち環境衛生局は、平良荷川取の市浄水管理センター裏手で不法投棄ごみの回収にあたった。以前から重点的に清掃しているが、不法投棄が絶えないという。この日もペットボトルなどの家庭ごみや家電製品、タイヤなどが大量に散乱していた。
同局の下地睦子局長は「きちんと分別して家の前に出してもらえれば回収できるものも多い。職員が多大な手間をかけているだけでなく、家電製品などの処理は有料で、市の予算が使われている。市民の皆さんにポイ捨てや不法投棄をやめる機運が高まることを心から願う」と話した。
大作戦に登録した人は約600人に上ったが、申し出を求めていなかったため、それ以上の市民が各地で美化活動に取り組んだと見られている。市が集計しているだけで、午後3時現在までに約500袋分のごみが回収された。