市が平良港関連3文書を発表 長期構想やまちづくり
宮古島市(座喜味一幸市長)はこのほど、平良港に関する▽長期構想▽みなとまちづくり基本計画▽事業継続計画―の3文書を発表した。長期構想は20~30年先を見据えた総合的な港湾空間のあり方について検討するもので、構想に基づき2023年度、法定の港湾計画を策定する。みなとまちづくりは市独自の取り組みで、同港を中心とした活気あるまちづくりを目指す。事業継続は重要な物流拠点である同港の機能低下を防ぐためのもの。
同港は市や周辺諸島に生活物資を供給し、農業などの既存産業を支える最も重要な社会資源の一つ。長期構想は、観光リゾート産業をはじめとする新たな展開や広域的交流促進に対応するため、適切な機能の再編・強化と、空間利用の再構築を図るために策定した。地域の自立と活力の維持に貢献することを理念とする。
方向性として▽物流▽大型クルーズ船▽観光レクリエーション▽災害対処―機能などの拡充を示している。また低炭素社会実現に向け、環境負荷の少ないエネルギーの利活用促進(カーボンニュートラルポートの形成)を図る。
港湾計画は長期構想を踏まえ、おおむね10~15年先を目標年次とするもの。23年度中に国土交通省と意見交換をしながら計画案を検討し、市地方港湾審議会に諮問。策定した計画を国交大臣に提出し、概要を公表する予定となっている。
みなとまちづくり計画は、平良港を市街地の玄関口と位置づけ、官民が連携し賑わいのあるまちづくりを目指すもの。国際クルーズ拠点周辺を「拠点Ⅰ」、トゥリバー地区を「拠点Ⅱ」と設定している。
差し迫っているクルーズ船客増大に対応するため、拠点Ⅰを優先して整備。商業施設誘致やスムーズな交通の分散、魅力的な歩行空間形成などを目指す。
事業継続計画は、大規模な自然災害などが発生した場合にも、重要拠点である港湾の機能が最低限維持できるよう、発生後の対応計画や平時からのマネジメント活動を示したもの。
市はこのほど、新型コロナを念頭に感染症対策の計画を策定。感染拡大によって港湾関係事業が停止する危険を避けるため、危機管理対策や体制の強化を図ることが目的。新型コロナ以外の、飛沫感染などによる感染症にも準用する。