保育所・幼稚園、こども園移行へ 市、一部地域で統廃合も
宮古島市はこのほど、市立保育所と幼稚園の認定こども園移行に向けた基本計画案を発表した。少子化が進み子どもと家庭を取り巻く環境が大きく変化する中、教育と保育が一体化施設を整備することで、安心して子どもを産み育てられる環境整備を目指すもの。池間・狩俣・西辺など、一部地域では統廃合も検討する方針。計画案に対し広く市民から意見を募るため、22日までパブリックコメントを実施している。意見は文書で提出する必要がある。
認定こども園は幼稚園と保育所それぞれの長所を生かしつつ、両方の役割を果たすことができる施設。例として2022年に公立幼稚園に通う園児の76%が午後の預かり保育を利用しているが、幼稚園では給食を提供していないため保護者の負担になっている課題などの解消が期待される。
22年4月現在、市内認可保育所42施設の利用人数は2127人で、市の0~5歳児の68%を占める。待機児童は0人だった。少子化の進行により利用人数は減少しているものの、利用率は65%前後で横ばい。
一方で公立幼稚園の利用状況は、14園合計の定員740に対し247人(33%)と、大幅な定員割れが生じている。うち7園が30人、4園が10人以下で、入園希望が5人に満たなかったため休園中の園もある。
こども園への移行には、集団活動や異年齢交流に大切な子どもの集団を保ち、健やかな育ちを支援する狙いもある。施設の統廃合や民間活力の導入を通して体制を強化し、子どもたちがどの施設に通っても質の高い教育・保育を受けられる環境づくりを目指す。
移行に当たり▽24年度に城辺・福嶺幼稚園を近隣施設▽25年度に佐良浜保育所・幼稚園を伊良部こども園と▽27年度に池間・狩俣・西辺を(仮称)平良北区認定こども園に―それぞれ統合する方針。西城保育所と幼稚園は27年度にこども園へ移行する。
その他の施設については、児童数の推移などを踏まえながら27年度以降をめどに移行を進める。移行計時期になどは、社会情勢の変化などを踏まえ随時見直しを行うという。
意見の提出は市役所1階の子ども未来課まで直接持参または郵送(〒906-8501 平良西里1140 福祉部同課子ども政策係)、FAX(73-1984)、メール(fj.kodomo@city.miyakojima.lg.jp)にて。様式は市ホームページから入手できる。