442人が学び舎巣立つ 宮古3高校で卒業式
市内3高等学校の卒業式が1日、一斉に行われ、宮古高校250人、総合実業高校143人、工業高校49人の計442人が学び舎を巣立った。2020年の入学式は一斉休校で1カ月延期。分散登校やさまざまな活動制限など、コロナ禍と共に歩んだ3年間だったが、アフターコロナに向かい始めた社会情勢の中、マスク着用は個人の意思に委ねられ、在校生や保護者が花道で盛大に祝福するなど、晴れ空の下、華やかな旅立ちの日を迎えた。
宮古高校 12年皆勤で7人表彰
宮古高校(金城透高等)では、普通科174人、理数科76人の計250人が卒業。金城校長は一人ひとりに卒業証書を手渡し、「宮高生としての自信と誇りを胸に、社会に大きく羽ばたいてほしい」と激励。また12カ年皆勤賞7人など、多くの生徒が表彰された。
金城校長は式辞で、「コロナとの共存を余儀なくされた3年間だったが、心身ともに逞しく成長した皆さんの頑張りを心からたたえたい」と述べた。また「一歩踏み出すことで景色が変わる」、「感謝の気持ちはあなたを成長させる」とはなむけの言葉を贈り、「卒業式は人生の出発点。大きく羽ばたいてほしい」と励ました。
在校生代表で送辞を述べた生徒会長の根間蒼葉さんは「最上級生として先頭に立ち、学校を盛り上げた先輩たちの姿は忘れない。皆さんが築き上げてきた伝統を守り、さらに磨きをかけられるよう努めていきたい」とたたえた。
答辞を務めたのは川満敬斗さんと上里洸敬さん。2人は「イレギュラーな日々が続いた高校生活は時に逃げ出したくなることもあったが、仲間と共に学び、成長したかけがえのない時間だった」と振り返えった。教職員や両親、級友へ感謝を伝え「進む道は違うが、夢や目標をしっかり持ち、それぞれの場所で夢を切り拓いていこう」と語った。
12カ年皆勤表彰者は次の通り。(敬称略)
砂川竜之介▽田名正宗▽砂川拓也▽友利なの▽山口愛結▽鈴木海優▽長元あいり
宮古総合実業高校 143人卒業 新たな一歩
宮古総合実業高校(大山正吾校長)の卒業式は午前9時半から、同校体育館で行われた。海洋科学科、生物生産科、食と環境科、生活福祉科、商業科の143人が恩師や父母、家族らに見守られながら、3年間過ごした学び舎を卒業し、新たな一歩を踏み出した。
式辞で大山校長は「皆さんの高校生活はコロナ感染症に翻弄された3年間だった。そのような状況でも皆さんは明るく学校生活を過ごし、豊かな産業及び教育資源を有するこの地で専門的知識・経験を積み重ねてくれた。これまでの学びは今後の人生に大いに役立つでしょう。人生100年時代を生きる皆さんは、人生の始まりの部分において基本的なことを学んだに過ぎない。社会の急速な変化に負けないようそれぞれの人生を豊かにするための学びを続けてほしい」と言葉を贈った。
卒業生を代表して海洋科学科の下地開さん、生物生産科の狩俣梓咲さん、食と環境科の仲里琉汰さん、生活福祉科の伊波愛哩さん、商業科の久貝香莉奈さんが答辞でそれぞれ高校生活を振り返り、「私たちは宮古総実高校で過ごしてきた3年間を心の支えとし、目標とする自分に近づくための一歩を踏み出すことを止めず、輝き続けることを誓う」と述べた。
式終了後、卒業生たちは中庭に作られた花道を通り、父母たちから祝福されながら学び舎を巣立った。
宮古工業高校 49人が旅立つ
宮古工業高校(知念俊一郎校長)の第51回卒業式が1日、同校武道場で行われた。各学科を代表して自動車機械システム科の下地渚さん、電気情報科の本村拓弥さん、生活情報科の池間奈々さんの3人が答辞で3年間の思い出や両親、恩師への感謝を述べた。最後は49人全員で上着を放り投げ、学び舎を旅立った。
この日は晴天。卒業生らは恩師や保護者らが見守る中、知念校長から「おめでとう」の言葉とともに卒業証書を受け取った。式典では在校生は自宅待機などの感染対策が取られたが、マスクの着用に関しては自由で、素顔で式典に臨む卒業生の姿も見られた。
答辞では初めて入学してきた日のこと、初めての球技大会がクラスメイトと打ち解けるきっかけになったことなどの思い出を振り返りながら、どんな時でも自分たちを見捨てなかった恩師や辛いとき悲しいときに寄り添ってくれた家族への感謝が述べられた。本村さんは卒業する仲間に「みんなと今日を迎えられてうれしい。みんなは最高の仲間」と涙ぐみながら伝えた。
知念校長は「ここで学んだこと出会った仲間は皆さんの宝物になるでしょう。悲しいとき苦しいとき母校を思い出し、誇りと高い志を思い出してほしい」と式辞を述べた。