23年度の県政運営について所信表明する玉城知事 =県議会議場

県経済の再生など重点 玉城知事が23年度所信表明

 【那覇支局】玉城デニー知事は14日に開会した県議会(赤嶺昇議長)2月定例会で、2023年度の県政運営について所信表明を行った。玉城知事は「2期目の県政運営にあたっては、誇りある豊かな沖縄の未来を拓くため、1期目に着手・推進した施策をさらに進化させ、各種施策を展開していく」と述べ、「県経済と県民生活の再生」、「子ども・若者・女性支援施策の充実」、「辺野古新基地建設反対・米軍基地問題」の3つを特に重点的に取り組む考えを示した。
 玉城知事は離島振興について「救急・災害時を含む離島医療提供体制の構築、住民の交通や生活コストに係る負担軽減、離島の条件不利性を軽減する情報通信基盤の整備などに取り組んでいく」と述べ、「下地島空港などの離島空港を活用した航空・宇宙関連産業の展開を推進する」と強調。地域資源を活用した特産品の振興を図るために「離島フェア」などの開催を進め、離島特産品の販路拡大やプロモーション支援に取り組む考えも示した。
 その上で空港及び港湾の機能強化を図るとともに航空路、航路や路線バスの確保を掲げ、離島空港において空港施設の更新整備と機能向上にも取り組む。維持、医師不足や医師の診療科の偏在の解消、離島診療所への医師の派遣や専門医の巡回診療、離島患者の経済的負担の軽減に取り組む考えを示した。また、オンラインの活用も含めた交流促進や観光振興などで県内外からの離島訪問を促進し、離島におけるテレワークなどの活用を推進する考えも示し、移住相談会や体験ツアーの開催などでUJIターン支援を行うとした。定住条件の整備を図るため、離島港湾の物流・人流機能の向上や利便性向上を推進するとした。高校がない離島からの通学・居住に要する経費を支援し、家庭の経済的・精神的負担の軽減にも取り組む考えを示した。
 玉城知事は「沖縄の基地負担の軽減は米軍と自衛隊を併せて検討する必要がある」と指摘。その上で「軍事力の増強による抑止力の強化がかえって地域の緊張を高め、不測の事態が生じていることを強く懸念している」と述べ、「米軍基地が集中していることに加え、自衛隊の急激な基地機能強化により沖縄が攻撃目標になるリスクをさらに高める事態を生じさせてはならない」と危機感を示した。
 米軍基地の普天間飛行場の問題については早期の運用停止、閉鎖・撤去と辺野古に新しい基地を造らせないという自身の公約の実現に向けて「全身全霊で取り組んでいく」と決意を示した。
 県経済の再生について、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進などの取組を進め、強靭な自立型経済の構築を目指すとした。
 子どもの支援については中高生のバス通学費支援、給付型奨学金の拡充を進め、学校給食費の無償化に向けた取り組みを進めるとした。

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