主要施設以外の整備が手付かずな伊良部野球場 =伊良部長浜

駐車場など白紙状態 財源確保主要施設のみ プロ誘致のめど立たず

 宮古島市(座喜味一幸市長)が現在伊良部長浜で整備を進めている野球場について、駐車場など建物周辺施設の整備の財源がなく、事実上白紙状態にあることが9日までに分かった。財源が確保できているのは、メインスタジアムや屋内練習場などの主要施設のみ。周辺施設の整備に向けては、一括交付金の獲得などを目指していくという。完成後の運用を所管する市スポーツ振興課は「とてもプロのキャンプを誘致できる状況ではない」と述べた。
 同球場は平成の森公園を
屋外運動場として再整備するもので、メインスタジアムは2021年5月に完成。ブルペンの供用も始まっているほか、現在はサブグラウンドと屋内練習場を建設中。工事完了・着手済みの施設は、補助率3分の2の防衛省補助金を活用して整備された。
 図面上では300台超の駐車場も整備予定で、門などを含めた周辺施設に5億円の費用を見込んでいるという。市建築課は一括交付金の活用を計画しているが、沖縄振興予算は2年連続で3千億円を下回る減少傾向にあり、現在のところ採択に至っていない。宮古島市の23年度配分額は前年度比1100万円減の6億900万円。JTAドームなどの建設に使用された市町村から募った事業を審査して採択する「特別枠」も休止されている。
 同課は「屋内練習場の工事が終了し次第、敷地内の段差をなだらかにするなどの処置は行う。複数年次にまたがっての予算獲得などで、順次外構部の整備を進められるよう対応をすすめたい」と述べた。
 スポーツ振興課は「一体的な整備が完成しないと、指定管理者の公募やネーミングライツの募集ができない。台湾や韓国のプロ野球チームも視察に来たが、あくまで完成を見越してのもの。プロの合宿誘致ができる状況ではない」と説明。「整備が完了してから、正式な運用を引き継ぐものと考えている」とした。
 メイン球場ではこけら落としに関東六大学準硬式野球のリーグ戦が行われたほか、児童生徒対象の野球教室や社会人野球の合宿など、一定の利活用はされている状況。交通量が増えたことで近隣住民から苦情が出ているため、現在のメイン球場入り口を別の場所に移設する予定という。

関連記事一覧